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【剛腕の威光】(2)うちわで“師をあおぐ”秘書たち (1/3ページ)
「おはようございます」
午前8時、東京都世田谷区深沢にある自宅のリビングルームに姿を現した民主党幹事長、小沢一郎(67)に秘書と書生がうやうやしく近付いていく。
朝風呂を浴びた小沢が湯上がりの血色肌をあらわにしたまま椅子(いす)に腰掛けると、3人ほどの書生や秘書が取り囲み、手に持ったうちわで一斉にあおぎだす。専用のうちわまで用意されており、秘書たちは毎朝、うちわで“師をあおぐ”のが日課なのだという。
その中に、当時私設秘書で、逮捕された民主党衆院議員、石川知裕(36)の姿もあった。
「先生はのどが弱いからクーラーが嫌い。だから汗が引くまでうちわであおいでいた。まるで王様だ」
数年前まで小沢に仕えていた元秘書の一人はこう振り返り、「政治を学んだことは一度もなく、ただ召使いみたいなもんだった」と語った。
秘書たちの朝は早い。下積みの書生との違いは「秘書の名刺を持っているかどうかだけ」(元秘書)。午前5時から素手で庭の草むしりを始め、それが終わると朝食の準備、配膳(はいぜん)までこなさなければならない。
大手ゼネコンが建てた立派な鳥小屋の掃除と世話、小沢の家族全員分の洗濯にぞうきんがけ…。
「草むしりもしないで人の上に立てるか」
小沢はよくこう語っていたというが、元秘書は「そういいつつ、自分の息子たちには雑用や家事手伝いをさせたことはなかった」と指摘した。