民主党大会でのあいさつの後、取材に応じ、身ぶりを交えて記者の質問に答える小沢一郎幹事長=16日午後、東京都千代田区、川村直子撮影
小沢氏は幹事長職を続けるが、党務の一部を幹事長代行の輿石東参院議員会長に委任する意向も示した。「(検察)権力の行使の仕方について対決するため、時間を割かないといけない」というのが、その理由だ。
小沢氏と検察との確執は根深い。党代表だった昨年3月、西松建設事件で公設第1秘書が逮捕された。政権交代も視野に入った時点での側近逮捕で、堅調だった政党支持率は急落。検察批判を繰り広げた小沢氏は結局、代表辞任に追い込まれた。師と仰ぐ田中角栄元首相は1976年、ロッキード事件で逮捕された。小沢氏の後見役だった金丸信・元自民党副総裁は92年にヤミ献金問題で失脚した。
だが、検察側は鳩山政権のこうした姿勢に、おもねる考えはないようだ。検察幹部は党大会での小沢氏の発言をテレビで見ながら「あがいているだけだ。取るに足らない」と切り捨てた。小沢氏の検察批判のトーンは昨年3月の公設第1秘書の逮捕時と同様に激しかったが、「検察にとっては前回にも増していわれのない批判」との受け止めだ。
検察関係者によると、石川知裕衆院議員が聴取で「私はもう生きる意味がない」と話すなど自殺の危険性が出てきたため、任意捜査の方針が切り替わったという。小沢氏の対決姿勢について、法務省幹部は「検察はそうした反応も織り込み済みなのだろう。粛々と捜査するだろうし、それを見守るしかない」と語った。