民主党・小沢幹事長の資金管理団体による土地取引問題で、元秘書の石川知裕衆議院議員らが逮捕されたことを巡り、小沢氏は幹事長を続投し、検察側と徹底的に戦う決意を表明しました。
側近たちの逮捕を受け、16日、渦中のこの人物がカメラの前に立ちました。
「(秘書らが)突然呼び出され突然逮捕されると、民主主義国家として、こういうやり方がまかり通るべきではない」(民主党 小沢一郎幹事長)
騒然とする16日朝の東京・上野駅。16日午前、政治資金規正法違反の疑いで逮捕された民主党・小沢幹事長の公設第一秘書である、大久保隆規容疑者(48)。
大久保容疑者は西松建設違法献金事件で公判中ですが、今回、小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の会計責任者として、2007年の収支報告書の支出を4億円少なくみせかけたウソの記載をした疑いで逮捕されました。
小沢幹事長周辺での逮捕者は、これで3人目。否応なく、小沢幹事長の動向に注目が集まります。
民主党大会の前に行われた地方代議員の会議に出席した小沢幹事長。その発言に注目が集まりましたが、急きょマスコミをシャットアウト。会場に一時、緊張が走りました。
この会議に先立ち、総理官邸を訪れた小沢幹事長。鳩山総理との協議でどのようなことが話し合われたのでしょうか。
「(小沢幹事長は)幹事長を辞めるつもりはないと。私も小沢幹事長を信じていますと。どうぞ(検察と)闘ってくださいと」(鳩山由紀夫首相)
小沢幹事長周辺の金をめぐり、政治資金規正法違反容疑で15日逮捕された衆議院議員の石川知裕容疑者と、小沢氏の元私設秘書・池田光智容疑者。
石川容疑者は逮捕後の取り調べに対し、4億円の不記載について違法だったことを含め、涙ながらに容疑を認める供述をしたことが関係者の話で分かりました。しかし、その4億円の出元について、石川容疑者の弁護士はこう話しました。
「4億円。(小沢幹事長の)父親からもらって、こつこつためていた(ものだ)と」(石川容疑者と接見した弁護士)
こうした中、行われた民主党の党大会。冒頭、来賓の挨拶が続くなか、逮捕された石川議員と地元・北海道で選挙協力を行ってきた新党大地の鈴木宗男代表が、開口一番声を張り上げました。
「逮捕は逃亡のおそれがあり、罪証隠滅のおそれがあるから逮捕。国会議員である石川容疑者が、どこへ逃げ隠れできるのか。間違った権力とは、断固戦っていこうではありませんか」(新党大地 鈴木宗男代表)
そして小沢幹事長がついに沈黙を破りました。
「我が党の党大会の日に合わせたかのように、逮捕が行われている。私は到底このようなやり方を容認することができない。私は断固としてこのようなやり方、このようなあり方について、き然として自らの信念を通し、戦っていく決意でございます」(民主党 小沢一郎幹事長)
検察当局に対して、徹底抗戦を宣言。そして、幹事長の職を続けることを表明しました。これに対して・・・。
「これは検察をトップとする官僚機構と、国民の代表である民主党政権との全面的な戦争だ」(民主党 森裕子参院議員)
「全面対決と言わんばかりの対応、政党としてどうなのか」(公明党 山口那津男代表)
「自浄能力を発揮できないとなると、金権疑惑の体質が民主党全体のものになる」(共産党 志位和夫委員長)
「辞める辞めないの前に、説明責任をしっかり果たすべき」(自民党 大島理森幹事長)
党大会終了後、取材に応じた小沢幹事長は、改めて潔白を主張しました。
「何も不正な金を入手して、土地購入の資金にあてた訳ではない。私の資金の出どころは(特捜部に)はっきり申し上げている」(民主党 小沢一郎幹事長)
(16日17:32)