[邦画レビュー]
1974年にTVに登場してから35年、日本を代表するアニメシリーズの一つとなった「宇宙戦艦ヤマト」が、実に26年ぶりに復活する。ここまで古いアニメになると、若い人の多くは「題名と主題歌しか知らない」という状態だと思うが、本作を鑑賞するための予備知識としてはそれで十分である。
まずはあらすじから紹介しよう。
西暦2220年、移動性の巨大ブラックホールの接近により、地球滅亡は決定的となっていた。この事態に、人類は地球を離れて他星へと移住することを決める。しかし第一次移民船団は航海の途中で謎の艦隊に攻撃を受け、責任者である古代雪と共に消息を絶ってしまった。古代進は、人類と妻を救うため、再び復活した宇宙戦艦ヤマトに乗り込むことになる――。
実は「宇宙戦艦ヤマト」の続編は、これまでに何度か製作が予定されながらも諸般の事情により頓挫してきたという経緯がある。つまりこの「復活篇」は、それこそ本当に“満を持して”という言葉がぴったりな作品なのだ。
だから余計に気合いが入って――というわけではないだろうが、ヤマトのスケールも大幅にパワーアップしており、なんとあの波動砲は6連射が可能になっているという仰天設定。もちろんハイリスクハイリターンなので、劇中ではこの6連波動砲がどこで使用されるのかということが一つの見所となる。26年ぶりの復活祭なのだから、これぐらいのインフレは大いに結構だ。