徳間書店発行 月刊アニメージュ昭和53年7月創刊号

表紙

表紙は田中愛望氏のイラストを水野石文氏がレイアウトした黒地にシルバー&ホワイトで描かれたハイセンスな宇宙戦艦ヤマトです。コントラストを操作して浮かび上がらせた上下の画像を見ると判りますが黒地に微妙な濃淡で正面・後面・側面図が透かし絵のように描かれています。今見ても実にカッコいいカバーデザインです。

解説:昭和53年7月1日に発行されたアニメーション雑誌の草分け、有名な徳間書店発行の月刊アニメージュ創刊号です。

 左画像の見開きページが少年MAHに大いなる誤解を与えました。これを”新ヤマト”と信じてクラスの友人に話して思いっきりバカにされのを昨日のことのように覚えています。このレイアウトと記事の雰囲気をあらためてご覧になってどう思われます?”ヤマト設定資料”の文字が目に飛び込んでくる見開きページ!しかも”旧ヤマト”と対比を促すようなレイアウト・・・MAHはこのページのおかげで赤っ恥をかきました。 

 この号の特集はセンセーショナルでしたが、実のところ旧作画像を多用したストーリーダイジェストと数点の設定資料&美術ボードのカラーピンナップに過ぎません。資料性は低いでしょう。

 右の画像は誌面に掲載されている昭和53年正月の製作スタッフ取材旅行先でのスナップです。みなさん・・・・銃器類好きだったんですね。FC機関誌1号記事によると松本氏などは真珠湾攻撃ルートをオンボロ飛行機で辿って飛んだなど・・・ミリタリーマニアぶりを発揮していたようです。取材目的は参考にするために『スターウォーズ』『未知との遭遇』を鑑賞すること、そして当時作家稼業で忙しかった松本氏をホテルにカンヅメ=隔離して(!)デザインを仕上げさせることだったとあります。記事によるとご当地のホテル室内で夜な夜な(昼間は・・・写真でご覧のとおり)熱気を帯びたブレーンストーミングが繰り返されたようです。

 特集記事の最後に「さらば宇宙戦艦ヤマト」製作スタッフ陣(松本零士・藤川桂介・山本英明・宮川泰・勝間田具治・石黒昇・吉田達・舛田利雄)が作品にかける意気込みと抱負を語っているページがあります。

 この中で石黒昇氏が極秘情報(?)を開示しています。レーダー分析を担当する森雪の配置席にある半球状レーダーを2つにしたのは氏です。半球状レーダーが”オッパイレーダー”に化けた理由について宇宙は3次元だから増やしたと書いてありますが、初期のTVシリーズワープシーンにヌードシーンを加え、あまつさえ作画責任者の白土氏に胸のサイズまで演出指定していた石黒氏のこと・・・・他意がなかったかどうか疑ってみたくなります。いえ疑いましょう。(苦笑)

 

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