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【社会】

「小沢先生が激怒する」 憔悴した石川容疑者、犯意認める

2010年1月16日 10時08分

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 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は15日夜、陸山会の事務担当だった同党衆院議員石川知裕容疑者(36)=北海道11区=らの逮捕に踏み切った。石川容疑者が政治資金収支報告書への虚偽記載の犯意を認めていることも新たに判明。検察側の聴取要請を拒む小沢氏は窮地に追い込まれた形だ。

 「このことを知ったら小沢先生は激怒するだろう」。関係者によると、特捜部の任意聴取に対し、石川容疑者はこう述べながら政治資金収支報告書への虚偽記載の犯意を初めて認めたという。

 特捜部が石川容疑者の任意の聴取に踏み切ったのは、年の瀬も押し迫った昨年12月27日。年が明けた今月13、14日にも任意聴取を重ねた。

 関係者によると、石川容疑者は13日まで、東京都世田谷区の土地購入の原資となった4億円の収入などについて、陸山会の収支報告書に記載しなかった理由を「単なるミス、忘れていただけ」と説明していたという。

 ところが、14日昼すぎから行われた聴取では、聴取が進むにつれ、石川容疑者は憔悴(しょうすい)した様子を見せ始め、やがて「わざと記載しなかった」と供述した。

 聴取を担当した検事が、その理由を何度問いただしても「言えない」「言えない」と繰り返したという。

 さらに、虚偽記載の犯意を認めたことについて「このことを知ったら小沢先生は激怒するだろう。自分の立場もなくなる、知られたら政治生命は終わりだ」と供述したという。

 特捜部は15日午後5時、石川容疑者に出頭を求め、逮捕状を執行した。

◆通帳に「住」の文字

 石川容疑者が、現在は小沢氏の秘書寮がある東京都世田谷区の土地購入をめぐり、3億8千数百万円を陸山会の複数の銀行口座に分散入金した際、各口座の預金通帳すべてに、秘書の住宅を示す「住」の字を書き込んでいたことが、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、陸山会は2004年10月29日に土地を約3億4千万円で購入したが、石川容疑者は購入代金の一部として、同月18日に陸山会の口座に5千万円を入金。この口座の通帳にも「住」の字を書き込んでいたという。

 岩手県の胆沢ダム工事の下請けに入った重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の経営トップは、特捜部の任意聴取に「04年10月15日の午後、都内のホテルで石川氏と面会し、5000万円を手渡した」と証言している。

 石川容疑者が5000万円を入金した日は、水谷建設側が5000万円を提供したとする日の3日後になる。特捜部は、水谷建設側からの裏献金が土地購入の原資になった可能性が高く、この部分を事件の核心とみているもようだ。

 水谷建設の経営トップは「05年4月にも、陸山会の会計責任者だった大久保隆規被告に5000万円を渡した」とも証言。計1億円の提供は「胆沢ダム工事の受注の謝礼として、大久保被告から額を提示された」と述べているという。

 石川容疑者は本紙の取材に「水谷建設の経営トップとは会ったこともない。あり得ない話だ」と全面否定。小沢事務所も本紙の取材に回答していない。

(中日新聞)

 

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