「小沢さんの説明不十分」地方代表から不満

　「参院選への影響が心配」と不安を漏らす地方組織の代表と、「何もお答えできない」と押し黙る国会議員――。

　小沢一郎・民主党幹事長の私設秘書だった石川知裕衆院議員らの逮捕から一夜明けた１６日、都内で開かれた民主党の党大会では、小沢氏に「説明」を求める地方の代表と、ダンマリを決め込む国会議員たちのギャップが目立った。この日の小沢氏は、続投を伝えるため首相公邸を訪ねた時も、党の会合に出た時も無言のまま。公開される予定だったあいさつが突然、非公開になり、報道陣と押し問答になる場面もあった。

　民主党の党大会はこの日午後１時から、東京・日比谷の日比谷公会堂でスタート。会場入りした民主党の国会議員らは一様に硬い表情で、報道陣の問いかけにも大半が無言で通過。立ち止まっても「何もお答えできない」「事実が十分解明されているとは言えない」と語るだけだった。会場に姿を見せた小沢氏は拍手で迎えられたが、一緒に入った鳩山首相と目を合わせようとはしなかった。

　一方、これに先だって午前９時から永田町の党本部で開かれた会合には、都道府県連の幹事長ら約５０人が集まった。大阪府連幹事長代理の松崎孔大阪市議は、石川容疑者の逮捕について「非常に驚いた」と困惑した様子で、「大阪では今夏の参院選で３人区に２人を擁立する方針だが、世論がどのように反応するのか選挙に影響が出なければいいが」と心配そう。

　岐阜県連幹事長の伊藤正博県議も「小沢さんの説明は十分とは言えない。当然説明があると思うが、それを聞かなければ県連としても対応が難しい」と、小沢氏の対応を批判し、静岡県連の関係者は「有権者からの疑問の声は強まっている。小沢幹事長が説明するのはもちろんだが、有権者の身近にいる国会議員がもっと声を上げるべきではないか」と注文を付けた。