大手精密機器メーカー、オリンパスの男性社員が社内のコンプライアンス通報窓口に、上司に関する告発をした結果、不当に配置転換されたとして、配置転換の取り消しなどを求めている裁判で、東京地裁は15日、男性の訴えを退けました。
オリンパスの精密検査システムの販売を担当していた濱田正晴さん(49)は2007年6月、「不正競争防止法に違反する疑いのある取引先社員の引き抜き行為を上司がしている」と、法令順守のためのコンプライアンス通報窓口に通報したところ、会社側から不当な異動をさせられたとして異動の取り消しなどを求めています。
東京地裁は15日の判決で、「異動による(原告の)不利益はわずかなもので配転命令が報復目的とは容易に認定しがたい」としました。その上で、「人事考査制度においては広い裁量が認められており、会社側の権利の濫用にはあたらない」などとして、濱田さんの訴えを退けました。
「一審判決は残念な結果だったが間違ったことをしたつもりない。今後も逃げることなく信念を貫いて闘っていく」(濱田正晴さん)
濱田さんは判決後にこう述べ、控訴する方針を示しました。
一方、オリンパスは「当社の主張が全面的に認められた妥当な判決と考えます」とコメントしています。(15日18:02)