トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事
【大相撲】朝青龍が金星献上 豪栄道に引き落とされた2010年1月15日 紙面から ◇大相撲初場所 5日目(14日・両国国技館)横綱朝青龍(29)=高砂部屋=が土俵際の逆転で豪栄道に引き落とされ、初黒星を喫する波乱があった。豪栄道は初の金星。横綱白鵬は雅山を危なげなく寄り切り、平幕の稀勢の里とともに全勝でトップをキープした。4日目に全員負けた大関陣は、琴光喜が豊ノ島を寄り切り初白星。琴欧洲が栃ノ心、日馬富士は小結鶴竜を下し、ともに4勝1敗とした。魁皇は関脇把瑠都に寄り切られ、2連敗で2勝3敗。 目の前から豪栄道が消えた。朝青龍はつんのめるように自分から落ちていった。アーッアと言わんばかりの苦笑いを浮かべて起き上がる。 負けた気がしない負け方だったのだろう。しかし、序盤での1敗、しかも金星配給となれば終盤戦にダメージが出てくる可能性もある。 「まあ負けた。勝負に負けた。こういうこともあるんだね」と首をひねって苦笑いしたが、支度部屋に引き揚げてきたばかりの時は、天井からつるされたテレビをジッと見つめ「(豪栄道の)金星は初めてか。チッ」と舌打ちしてみせた。通路をふさぐカメラマンに対しても「あっち行け」と不機嫌そうな顔でにらみつけた。 場所前は絶好調。そういう時ほど落とし穴が待っている。「こっちに逃げたって感じだな」。右の方を指さしながら振り返ったが、詰めでいつもの激しさがなかった。豪栄道は境川部屋の所属。出げいこにもよく行く。「境川部屋は大好きな部屋」というお気に入り。 「ダメ押しするくらいの気持ちにならないとダメだね。立ち合いも出足もよくて、そこで安心しすぎたね。ヨシッと思った。満足しすぎた」 豪栄道に初金星をプレゼントしたことを「いいんじゃない。喜んでんじゃないか」。最後も苦笑いを浮かべていた。 (岸本隆)
|