排出量取引詐欺で被害6千億円 欧州市場で横行【ロンドン共同】欧州連合(EU)の欧州警察機関(ユーロポール、本部オランダ・ハーグ)は10日までに、温室効果ガスの排出量を取引する欧州の市場で組織的な詐欺が行われ、各国政府が過去1年半に総額50億ユーロ(約6500億円)の被害を受けたと発表した。 ある欧州の市場では取引量の90%が詐欺だった可能性があり、ユーロポールは「欧州の排出量取引市場の信頼を脅かし、各国政府のかなりの税収減をもたらしている」と警告した。 詐欺は、日本の消費税に当たる付加価値税抜きで排出量を買い、これに同税を上乗せして転売、差額をもうける手口。被害拡大を防ぐため、フランスやオランダ、英国、スペインは課税ルールを変更。ユーロポールは犯罪組織の特定と摘発に向けて特別プロジェクトを立ち上げた。 排出量取引は、各国政府に温室効果ガスの排出枠を割り当てられた企業などが、過不足分を売買する。地球温暖化防止の有力な手段とされている。欧州ではロンドンなど6市場で取引されており、市場規模は年間900億ユーロとされる。 【共同通信】
|