インターネットの交流サイト(SNS)で男性に交際を持ちかけ、出会い系サイトに会員登録させて利用料をだまし取ったとして、警視庁と宮城県警は、東京都港区西麻布4丁目、出会い系サイト運営会社経営、星憲之容疑者(33)ら男女計11人を詐欺の疑いで逮捕したと15日、発表した。同庁は、男性約50人からの計約1400万円の被害が裏付けられたとしている。
同庁ハイテク犯罪対策総合センターによると、星容疑者らは「mail to mail DX」「ラポルテ」の名称の出会い系サイトを開き、運営会社側のサクラが会員女性を装って書き込み、会員同士ではメールの送受信ができないのに、「すてきな出会いが見つかる」などと偽って、2008年10月〜09年1月、男性会員3人からサイト利用料計56万8千円をだまし取った疑いがある。
星容疑者は調べに「詐欺はしていない」と容疑を否認しているという。
被害に遭ったのは、「ミクシィ」「モバゲータウン」など大手SNSに登録する男性ら。女性を装った運営会社側の誘導役が交際を持ちかけ、「私はチャットもやっているのよ」と自分たちの出会い系サイトに誘っていた。サイトへの会員登録は無料だが、サクラの女性とメールを送受信するたびに男性側が1件380〜480円の利用料を払う仕組みだった。
サイト運営会社には従業員が約100人おり、SNSから自分たちのサイトに誘う「誘導集客」、男性会員とメールを交換する「オペレーター」、男性会員の問い合わせに対応する「フロント」を分担させていた。同庁が09年2月に東京・歌舞伎町のビルにある事務所を家宅捜索した際、パソコン約200台が押収された。
星容疑者らは05年に問題の2サイトを開設し、当初は会員同士のメールのやりとりができた。しかし、07年7月ごろにサクラとしかやりとりできない仕組みに変更したという。この2サイトの会員は約139万人に上り、約19億5千万円を売り上げたという。