脱税疑惑:大分のコンサル会社、所得30億円申告せず(07/12/09 毎日)

毎日新聞の特ダネだったらしいです。キヤノンといえば偽装請負報道で朝日と対立して広告を中止し、元日に再開したのが「サンゴが教えてくれる。」と返り討ちwを食らわせてましたが今度はどうなりますかね。

ここではゼネコンに焦点を絞ってみます。
鹿島が6億円所得隠しで追徴課税(07/12/09 産経)
 大手精密機器メーカー「キヤノン」(東京都大田区)の大分県進出をめぐり、下請け業者に架空の外注費を支払ったなどして、大手ゼネコン「鹿島」(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受けて約6億円の所得隠しを指摘され、追徴課税の処分を受けていたことが分かった。このうち一部の金額について、鹿島は国税局の調査にも使い道を明らかにしておらず、使途秘匿金としてさらに重い税率の処分を課せられたという。

よほど知られてはまずいことがあるのでしょう。
大林組・鹿島・清水建設・大成建設・竹中工務店の最大手5社がスーパーゼネコンといわれるそうで、このうち鹿島と清水と大成が東京、ほか2社は大阪に本社がある。昨年後半、これ以外にも各社の不祥事が相次ぎました。1年前に報道された談合決別宣言は所詮“偽装”だったんでしょうか。

09/26 ベトナムで大成・鹿島・新日鉄エンジニアリングJV(共同企業体)が施工するカントー橋が崩落、死者54名
10/15 名古屋市発注の地下鉄工事談合で大林組に罰金2億円、仕切り役の同社元顧問に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決鹿島と清水建設、奥村組、前田建設工業と各社担当者も有罪に
 柴田被告は長年、東海地方の談合組織の仕切り役として君臨。自分への利益供与の度合いを優先的に考慮し業者に工事を割り振るなどしてきた。

 だが、背中を丸めて聞き入る大林組名古屋支店の元顧問、柴田政宏被告(71)には、東海地方のドンの面影はなかった。

 村田健二裁判長に「受注調整に関する絶大な権力を背景に、他の企業から現金などの便宜供与を受け私腹を肥やした」と指摘された柴田被告。理由の朗読の間、時折、やや苦しげな表情を見せ、弁護人に「大丈夫ですか」と体調を気遣われる場面もあった。

 閉廷後は、迎えの乗用車に乗り込み、地裁の正面入り口前で待ち構える報道関係者を振り切るようにして、無言のまま法廷をあとにした。

11/07 清水建設など5社のJVが千葉県市川市で建築中のマンションで鉄筋128本の不足が判明
 大手ゼネコンの清水建設(東京都)など5社のJV(共同企業体)が千葉県市川市のJR市川駅前に建設中のマンション「ザ・タワーズ・ウエスト・プレミアレジデンス」(45階建て、高さ160メートル)で、鉄筋が128本不足していたことが7日わかった。施工ミスが原因。工事は現在、30階で中断している。

 清水建設などによると、先月、住宅性能表示制度に基づく中間検査を専門機関が実施したところ、25〜29階にある柱310本のうち各階の柱計60本と30階の柱4本の計64本で、本来必要な鉄筋22本が20本しかないことが明らかになった。

11/20 竹中工務店が東京都港区東麻布で建築中の超高層マンションで鉄筋の強度不足が判明、8,9階を部分解体して工事やり直し
12/01 大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事談合・汚職事件で、大林組元顧問・山本正明(72)に懲役1年、同・森井繁夫(64)に懲役2年6月の論告求刑。判決は1月11日※
12/07 竹中工務店が東京都世田谷区に建築中の高級マンションでコンクリートの強度不足。同社は「補強工事済み」としつつおわび
12/19 大阪府堺市が、防衛施設庁談合などで入札指名停止中の清水建設約8億6000万円の随意契約を結んでいた
12/20 竹中工務店、2005年に愛知県刈谷市で起きたトヨタ車体工場新築工事での労災隠しが判明
 大手ゼネコン竹中工務店(大阪市)が、2005年に施工した愛知県刈谷市の自動車部品工場の新築工事で起きた労働災害を、労働基準監督署に報告していなかったことが分かった。刈谷労基署は悪質な「労災隠し」とみて、労働安全衛生法違反の疑いで調べている。

 同社によると、事故は05年10月2日午後3時50分ごろ発生。同社の二次下請けだった塗装会社の男性従業員=当時(62)=が高所作業車に乗って天井部の塗装作業中、作業車が床の開口部にはまって大きく傾き、男性は左足骨折など1カ月の重傷を負った。

 この事故では、竹中工務店名古屋支店の当時の作業所長が一次下請け会社に労災隠しを指示。男性の診断書を「打撲、治療不要」と改ざんして建築主に提出し、労基署に事故を報告しなかった。

あと6月に爆発死傷事故を起こした東京渋谷の「シエスパ」の設計が大成建設だったとか。
 温泉の源泉にはメタンガスを主成分とした天然ガスが含まれるため、源泉のくみ上げ施設があった別棟の地下区画では室内の十分な換気が必要だった。

 調べでは、この室内には、空気を屋外に排出するファン付きの排気口があるが、外気を取り入れる吸気口については、施設を運用するユニマットビューティアンドスパ(東京都港区)や設計した大成建設(新宿区)側は「別棟と本館をつなぐ地下溝から吸気できていた」と警視庁に説明したという。

福岡で清水建設子会社に発砲というのはゼネコンが被害者ですかね?

そういやスーパーゼネコンが5社で全国紙・民放も5系列あるけど関係あるんだろうか、と適当に調べてみますた。

読売新聞:不明/日本テレビタワー:清水・大成・鹿島・大林JV
パレスサイドビルディング(毎日新聞):大林、竹中/TBSビッグハット:大林・鹿島・大成JV
東京サンケイビル(産経新聞):竹中・北野建設JV/フジテレビ本社ビル:鹿島
朝日新聞東京本社:竹中/テレビ朝日新本社:竹中
日経新聞東京本社('09.3完成予定):清水/テレビ東京:不明

ちなみに他には
NHK放送センターは大林・鹿島・清水・大成・竹中・戸田建設・間組JV(なんじゃこりゃ)
音羽のバブルの塔、もといw講談社新社屋は鹿島・竹中・大林JV。八重洲ブックセンターが鹿島建設系列なこととは…たぶん関係ないな。
汐留メディアタワー(共同通信社本社)鹿島・清水JV
電通本社ビル:大林組ほか
…無駄に疲れた(苦笑)

大林がやや優勢か。毎日・TBSは大林と、朝日は竹中と関係が深いようですね。どちらも発祥地が大阪なのが関係しているのでしょうか。そのことが報道に影響しているか、まではちょっと検証できませんでした。
でも竹中の労災隠しの記事は朝日で見かけなかったような。カントー橋崩落事故はミャンマーの邦人射殺と時期が重なったせいか、どのマスコミもあまり報道しませんでした。

フジテレビと鹿島建設もかなり親密だったはず。ニッポン放送・ライブドア騒動のとき、フジ会長(当時)日枝久の豪邸を施工したのが鹿島でカネの出所が怪しいと一部メディアで取り上げられましたが、口止め料でももらったのかとんと聞かなくなりましたっけ。

別に擁護するつもりは無いけど、ゼネコンの顧客は行政や企業が主で一般消費者向けじゃないから、あまりマスコミに広告は出さない(♪昼間のパパは〜なんてのが昔ありましたけど)のでマスコミに叩かれやすいというのはあるかもしれません。

逆にテレビ局とゼネコンは似たもの同士という指摘もどっか(ダイヤモンドだったかな)で既出のはず。どっちも実際に物を作り上げるのは放送局なら制作会社、ゼネコンならサブコン(専門工事業者)という下請けで、自分たちは上前をはねるだけだとか。建設業界でよく問題になる「丸投げ」が放送業界でも恒常的に行われていることは関西テレビの「あるある大事典」捏造で明るみになったところです。
新聞社と販売店の関係同様、ゼネコンとサブコンにも厳然たる上下関係・系列関係があるみたいだし。

加えてどっちも私企業でありながら他の業界より政治・行政と癒着してる点も挙げられます。放送局の電波利権配分は言うに及ばず、新聞社も国有地を本社の敷地として優先的に廉価で払い下げさせたりしてますからね。そうみるとゼネコン批判報道も同属嫌悪みたいなものかもしれません。
そういや民放が相次いでバカみたいに豪華な本社ビルを建てたあたりから、マスコミの「ハコモノ行政」批判が少なくなったような気もしないでもない。

…とまあ相変わらずまとまりのない文章ですみませんが今日はここまで(汗

<1/13 追記>
※文中に出てくる枚方市官製談合事件で大林組元顧問に有罪判決が下りました。

<枚方談合>大林組元顧問ら2人に有罪判決 大阪地裁(1/11 毎日)
 大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事を巡り、談合と贈賄罪に問われた大手ゼネコン大林組元顧問、森井繁夫被告(64)に対し、大阪地裁は11日、懲役2年6月、執行猶予4年を言い渡した。また、関西談合組織のトップを務めた同社元顧問、山本正明被告(72)の判決も同日あり、懲役1年、執行猶予3年を言い渡した。

この事件で逮捕された枚方市長・中司宏は元産経新聞記者だったそうです。
元新聞記者、改革派の旗手の転落 枚方市長逮捕(07/07/31 イザ!)
中司宏:イザ! 逮捕前のプロフィール。
1956(昭和31年)3月11日、大阪府枚方市生まれ。79年、早稲田大第一文学部卒、同年4月、産経新聞社に入社。京都総局を経て、政治部。中曽根首相番、田中派(竹下派)担当記者。87年、大阪府議会議員に最年少で当選。2期を務め、「阪神大震災をきっかけに、災害に強いまち」を掲げて95(平成7)年4月の枚方市長選に立候補し初当選した。
産経を含め各社は逮捕時に産経出身とは書かなかったようですね。例外はこれぐらいか。
東京新聞:あぁ…なんてことだ中司君:私説・論説室から 谷 政幸

で、こいつも和歌山のエセ改革派知事・木村良樹と同様にローカル・マニフェストの旗手だったようで。
Yahoo!みんなの政治 - マニフェスト講座 - Vol.14 地域社会の将来を決める「ローカル・マニフェスト」
マニフェストは、選挙の時だけでなく、選挙が終わった後にもさまざまな効果を発揮します。私は、それをマニフェストの「三位一体の効果」と呼んでいます。

効果の1つ目は、マニフェストが「政治改革」「選挙改革」の有効なツールになることです。従来の、イメージ重視で具体性のないスローガン羅列型の選挙、あるいは、「地盤、看板、かばん」に頼り、既存のしがらみや既得権益にどっぷりつかった選挙から、政策中心の選挙、事後に検証可能な実行責任の明確な選挙に転換するのです。〔後略〕

もうマスコミと学者が持て囃すだけの、嘘で固めたマニフェストなんてやめちまえ!