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「借りたカネは返すな!」の著者、脱税指南容疑で立件へ

2010年1月15日7時22分

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 経営難の中小企業の事業再生で知られるコンサルタント会社「セントラル総合研究所」(東京都千代田区)が、顧客に「脱税指南」をしていたなどとして、さいたま地検特別刑事部は脱税の共犯の容疑でセ社社長(50)ら2人を立件する方針を固めた。15日未明までに社長宅などに家宅捜索に入り、社長の取り調べを始めた。

 セ社社長は、2003年に出版した「借りたカネは返すな!」が、シリーズで50万部超のヒット作になったことで知られている。

 関係者によると、セ社は、千葉県習志野市の男性(72)に、不動産売却に絡む数千万円の所得隠しを指南し、裏金をいったん預かるなどして加担した疑いが持たれている。地検は、男性を所得税法違反(脱税)の疑いで、セ社社長らを共犯の疑いで、それぞれ立件するとみられる。

 セ社社長は朝日新聞の取材に、「部下がやったことだが、税逃れを指南したのではない」「事業主が資金をつくり、生きられるようにするためだった。結果的に不正に加担していたのなら、以後気をつけたい」と話していた。男性は「(セ社側から)売却益から2千万円を戻す、と言われた。裏金だという認識はあった」などと話していた。

 セ社社長は、約1億円を隠して所得税約1580万円を免れたとして有罪判決が確定した東京都東村山市の不動産会社元社長(73)の脱税事件にも関与したとされる。元社長の不動産を買い取った会社に対し、売却代金の一部をセ社への仲介手数料に水増しする形で裏金にするよう指示し、元社長側に入金させたという。

 元社長の次男(39)は「セ社には着手金で50万円、顧問料を毎月31万5千円、他にも手数料を複数回支払った」と証言した。

 セ社は不況を背景に、中小企業からの相談が2008年下半期までの累計で9千件を超えている。

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