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2010年1月14日(木) 19:15 |
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300日規定損害賠償訴訟に判決
民法で定められた、離婚後300日以内に生まれた子は前の夫の子とみなす、いわゆる「300日規定」の問題です。 出生届が受理されたなかったことは違法として、岡山県内に住む女性が総社市と国を相手に起こしていた裁判で、岡山地裁は14日、女性の訴えを退けました。
この裁判は、離婚後300日以内に生まれた子を前の夫の子とみなすとする民法の規定により、生まれた女の子の出生届が受理されなかったことは違法だとして、総社市に住む女性が国と総社市を相手に330万円の損害賠償を求めていたものです。 14日の裁判で、岡山地裁の古賀輝郎裁判長は、以前の夫の戸籍しか認めなかった総社市の判断は誤っていないとして女性の訴えを退けました。 また判決では、民法改正の是非については触れませんでした。 今回の裁判の争点は、離婚後300日以内に生まれた子は前の夫の子とする、いわゆる民法の300日規定をどのように扱うのかということでした。 今回提訴した女性は、2008年3月に夫からの暴力を理由に離婚し、その年の11月に現在の夫との間にできた女の子を出産しました。 この女性は、夫からの暴力のため2006年9月から別居しており、前の夫との間では妊娠の機会はありませんでした。 しかし総社市は出生届けを受理しなかったため、生まれた女の子は戸籍が無い状態となりました。 被告となった総社市ですが、出生届を受理するには民法の改正が必要だとして、法務省に2度足を運びました。 今回の判決を受けて片岡市長は、今後も国に対して法改正を求める考えを示しました。 総社市の女の子は、現在の夫と親子関係を確認する調停が成立しており、その後、戸籍を得ることができました。 一方で国は、2007年、この規定に救済措置を設けました。 離婚後に妊娠したことが証明されれば、300日以内に生まれたとしても出生届は受理されるというものです。 そういった救済措置があっても、全国ではなおこの制度により、戸籍の無い子どもが年間約3000人も生まれています。 今回の裁判の支援者の一人で無戸籍の子供を持つ女性は、裁判の後の会見で今の心境を語りました。 家族の形態は多様化しています。 そうした中で下された今回の判決です。 今後は法律をどのように改正していくのかが焦点となりそうです。
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