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新年を迎えて/英知を結集し展望を開こう(1月1日付)
21世紀初頭の10年を締めくくる年が明けた。しかし今、国も地方も閉塞(へいそく)感が濃い。不況や格差に加え政治が混迷し安心・安全な社会づくりへの道はなお険しい。
昨年は変化、変革を象徴する出来事が目立った。衆院選で民主党が歴史的大勝を果たして鳩山連立政権が誕生。本県でも民主が5小選挙区すべてで勝利した。
鳩山政権発足3カ月余。基地・外交問題や経済対策、首相の政治とカネの問題も浮上し内閣支持率も急落した。重要課題で迷走して失望感が広がり政局も波乱含みの様相を呈しつつある。首相は日本の将来ビジョンを早急に明示し指導力を発揮できるか、試練を迎えている。
地球規模の温暖化や超高齢社会など大きな転換点に突入している。希望と展望に満ちた2010年代を切り開くため英知を結集し、日本の針路、地域再生構想を明確にし創造力と実行力をもって具体化したい。
政権交代後初の新年度当初予算案は総額が過去最大に膨張。景気悪化による財源不足でマニフェスト(政権公約)の一部を断念し、新規国債発行額も44兆円超と将来に引き継ぐ借金を増大させることになった。
こうした国家予算が地方、とりわけ本県の施策にどう影響するか、推移を注意深く見守る必要がある。税収の先行きが不透明な中、県の財源の確保戦略も重要な課題だ。
経済見通しも依然厳しい。デフレが継続し昨年11月現在の完全失業率は5.2%と雇用も厳しい。
県内の状況も同様だ。3月の新規高卒者の昨年11月末の就職内定率は62.2%と過去5年で最低であり、求人数も過去10年で最も少ない。県内の昨年の工場立地件数も23件と過去20年で最低という水準である。
県内には矢祭町や飯舘村のように独自の政策を打ち出して成果を挙げる自治体もあり評価したい。だが、地域再生には、経済対策や活性化策が引き続き求められる。国の地方切り離しがあってはならない。地方自ら創意と工夫を総動員すると同時に、さらなる支援策も不可欠だ。
夏には鳩山政権誕生後初めての参院選が控えている。新政権の取り組みを検証するとともに日本の行く末を考える絶好の機会だ。民主が過半数を確保するのか、自民がどう巻き返すか。わが国の将来像を見据えた政策論を期待したい。
秋には任期満了に伴う県知事選が行われる。景気・経済対策、福島空港の利活用、プルサーマル計画を含む原子力政策など地方分権の流れが加速する中、課題が山積している。豊かな県土づくりに向け長期的な視点に立った活発な議論が望まれる。
昨年は新型インフルエンザが流行し本県でも死者が出た。さらに万全の対策と注意が必要で、医療の充実も怠ってはならない。
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