ニューヨーク(CNN) カリブ海の島国ハイチで発生したマグニチュード(M)7.0の大地震について、同国の国連総領事は13日、死者が10万人以上との見解を表明した。総領事は記者団に対して、首都ポルトープランスが壊滅し、複数の病院が倒壊したと述べ、医療用品や重機が必要とされている点を強調した。
ベルリーブ同国首相はCNNに対し、10万人以上が死亡したとの見解を表明。またプレバル大統領は、報道されている死者数が3万人から10万人と幅があるものの、実際の人数はまだ不明だとコメント。倒壊した建物の下敷きになっている人々がまだおり、停電や断水が発生していると述べ、がれきの撤去や医療支援を緊急に必要としている点を強調した。
潘基文国連事務総長は、国連が直ちに1000万ドルの被災地支援を実施すると発表。世界銀行も1億ドルの支援を表明した。
オバマ米大統領は、米国が積極的に被災地の復興支援に取り組む方針であることを明言。ハイチ担当特使を務めるクリントン元米大統領は市民に対し、被災地への人道支援プログラムを支持するよう呼びかけ、各国指導者らにハイチ支援に対する取り組みの強化を促した。
こうしたなか、国際医療援助団体「国境なき医師団」は、ハイチの拠点3カ所が地震の被害で使用不可能になっていると述べた。同団体は負傷者の手術再開に重点を置く方針という。
国連平和維持活動(PKO)の国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)本部も、今回の地震で甚大な被害を受けた。米ニューヨーク市内の国連本部関係者は、MINUSTAH要員150人前後の消息が不明になっていると述べ、文民幹部2人やアナビ国連特別代表などががれきの下敷きになっているとの見方を示した。MINUSTAH要員の死者は、これまでに少なくとも14人にのぼっている。
PKO関係者はCNNに対し、老朽化した刑務所が倒壊し、収容されていた受刑者らが逃走したことから、被災地で略奪が発生する可能性に懸念を表明した。