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社説

日米外相会談 溝を埋める努力重ねて(1月14日)

 岡田克也外相と米国のクリントン国務長官がハワイで会談し、日米関係の重要性を再確認した。

 両国関係は昨年来、米軍普天間飛行場の移転問題をめぐってぎくしゃくしてきた。

 鳩山由紀夫首相は年末にコペンハーゲンで気候変動枠組み条約の締約国会議が開かれた折、オバマ大統領との会談を模索したが実現せず、政府間対話もとぎれがちだった。

 アジアの国々から日米関係を懸念する声が出ていたのは事実だ。

 相違点があってもきちんと向き合い、着実な対話の積み重ねで解決策を見いだす−。信頼構築の原点に立ち戻ることができたのは良かった。

 評価したいのは「同盟深化」のための政府間協議を近く開始することで合意した点である。

 今年は日米安全保障条約の改定から50年の節目だ。それを踏まえ、日米関係の包括的レビュー(再検証)を掲げる首相が昨年11月の首脳会談で提案し、オバマ氏も同意した。

 ところが普天間問題の決着が越年したことに米側が反発し、期限を設けずに先送りされていた。

 外相とクリントン氏は条約改定が署名された今月19日に日米の外務、防衛担当4閣僚が連名で共同声明を発表し、年前半には4閣僚が集まって議論することで一致した。

 過去半世紀の2国間関係を振り返り、次の50年に向けて絆(きずな)をより強固にしていく重要な機会としたい。

 首相は自衛隊幹部に対する訓示で「この国を守るために日米安保条約が存在することは感謝すべきだ」と述べた。安保条約を日米の基軸と考える立場を示したものだろう。

 一方で記者団には「安全保障だけでなく、さまざまなテーマで協力関係を深化させていく」とも語った。

 軍事のみに偏らず、災害、医療、環境など幅広い分野で連携を深めて国際社会の平和と繁栄に貢献する。そうした方向で両国関係をさらに発展させていくことが大事だ。

 外相会談で普天間問題は平行線のままだった。外相は5月までに結論を出すとの政府方針を伝え、クリントン氏は「現行案が最善だ」として政府間合意の早期履行を求めた。

 率直に意見を交わし、この溝を埋めていく努力こそが、いま日米双方に求められている。

 それにはまず見直しを提起している日本側が代替案作りを確実に進める必要がある。政府と与党3党は昨年末に沖縄基地問題検討委員会を設け、具体的な作業に着手した。

 首相は「5月までに」と繰り返しており、外相も会談でそのことを明言した。沖縄県民と米政府の理解を得られる移転先を決定することに全力を挙げねばならない。

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