社説
スポーツ振興 強化と普及の両立こそ(1月13日)
今年、世界のスポーツ界ではビッグ・イベントが相次いで開かれる。
2月にカナダのバンクーバーで冬季五輪が開幕、6月には南アフリカでサッカーW杯も行われる。トップレベルの選手たちの活躍に胸躍らせることも多いだろう。
スポーツへの関心が高まり、競技力の向上や普及につなぐ絶好の機会でもある。しかし、肝心の日本のスポーツ政策は、方向性が十分に定まっているとは言い難い。
昨年前半まで超党派の議員連盟が進めてきたスポーツ基本法制定の動きも、政権交代後、事実上立ち消えになっている。
一線級の選手たちの強化を図りながら、健康づくりのためにスポーツを広く暮らしの中に根付かせたい。
「頂の高さ」と「すそ野の広さ」を両立させるスポーツ振興策が求められている。
昨年末の事業仕分けで、選手強化費も縮減対象と判定された。五輪選手が緊急会見するなどスポーツ予算をめぐる論議にも注目が集まった。
日本の選手強化費は欧米先進国や中国などと比べても低いという。世界で戦うためには、十分な支援は欠かせない。
とはいっても、単に国威発揚のために金メダル獲得を目指すような財政支出に対しては、国民は冷静で厳しい視線を注いでいる。
昨年、招致に失敗した2016年の東京五輪は、候補地4都市の中で世論の支持が最も低かった。
トップレベルの選手強化や五輪開催が、どのように一般の人々の生活の質の向上につながるのか。丁寧で具体的な説明が必要だ。
日本のスポーツ行政は、文部科学省、厚生労働省、経済産業省など各省にまたがっている。
スポーツ基本法制定の動きの中では、スポーツ庁を設置して窓口を統合する構想などが論議されていた。
その背景にはスポーツを取り巻く環境の変化がある。
五輪にプロスポーツ選手が参加するようになり、障害者スポーツも福祉やリハビリにとどまらず、競技力が重視されるようになった。長引く不況で、選手育成を担ってきた実業団チームが次々と廃部している。
子供の体力も心配だ。昨年末に文科省が発表した全国の小5、中2を対象にした「全国体力調査」によると、体力向上で足踏みが続く。
スポーツは、心や体を元気にするばかりではなく、医療費抑制や関連産業創出にもつながる。家族や友人同士で汗を流すことを通じて、地域や世代間のつながりも深まる。
多角的な視点から、スポーツ行政を進める構想力が問われている。
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