社説
菅財務相 予算も霞が関の改革も(1月13日)
財務相に就任したばかりの菅直人副総理を中心に、2011年度予算編成の作業が早くも始動した。
政府はきのうの閣僚懇談会で予算の全面組み替えを進めるため、特別会計や独立行政法人を含めた無駄の洗い出しに向けた意見交換を行った。
11年度はマニフェストの実現に必要とされる財源が10兆円規模に膨らむ。財源確保の重要性は一段と増す。不発に終われば国債増発に追い込まれ、財政悪化に拍車をかける。
どこまで大胆に組み直せるか、11年度予算は民主党が掲げる政治主導の正念場となる。菅氏の指導力が問われる場面だ。
閣僚懇談会は財源難に苦しんだ10年度予算編成を踏まえたものだ。
民主党は09年度ベースで一般会計と特別会計の総予算207兆円の全面組み替えを掲げた。
だが事業仕分けによる予算削減効果が約1兆円にとどまるなど、無駄の撲滅は不十分に終わった。
菅氏はその理由を「政権発足から年末まで3カ月余りと時間の制約が大きかった」と述べた。反省を踏まえ、早い時期から11年度予算の議論をスタートさせた点は評価できる。
景気低迷による収入減や雇用不安が続いている。歳出の優先順位を大胆に入れ替える際は、国民生活を第一とした見直しを求めたい。
予算編成はもとより、経済運営ではデフレの克服に加えて景気の二番底をどう回避するかも課題だ。
国と地方の長期債務残高は10年度末で860兆円を超える見通しだ。危機的な財政をどう立て直すか。財務相に課せられた責任は重い。
重要なのは財務省改革だ。同省は「官庁の中の官庁」として「官僚主導」の象徴的な役所である。
財務省の改革は霞が関全体の改革にも通じる。そうした視点で取り組まねばならない。
鳩山由紀夫政権は「官僚主導から政治主導へ」を掲げたが、10年度予算編成ではそれがどれだけ実現できたか、その検証も必要だ。
新規国債発行額の上限設定など、財務官僚が描いた筋書きに沿って進んだ側面も否めないだろう。
菅氏は橋本龍太郎政権で厚生相(当時)として初入閣し、薬害エイズ問題で官僚に情報公開を迫り、妥協を許さぬ姿勢を貫いた。
財務相就任の記者会見で「大臣は役所の代表ではなく国民の代表だ」と述べ、改革に決意を示した。
持論である政治主導を実行するには絶好の機会だ。
長丁場の通常国会が18日召集される。野党時代の追及ぶりで見せた菅氏の持ち味を、今度は説得力のある答弁で発揮してもらいたい。
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