社説
十勝オーバル 若手育成の夢を広げる(1月7日)
国内2番目の屋内スピードスケート場、帯広の「明治北海道十勝オーバル」で16、17の両日、世界スプリント選手権が開かれる。
2月のバンクーバー五輪の前哨戦として国内外の一流選手が集う。十勝オーバルにとっては世界へのお披露目となる大会だ。ぜひ成功させ、新リンクの知名度アップにつなげてほしい。
十勝オーバルは昨年9月、「帯広の森」に完成した。鉄筋コンクリート造り2階建てで、400メートルダブルトラックのリンクを備え、その内側はテニスやフットサルができる多目的広場として活用できる。
建設費60億円は、国が約半分を、残りを道と帯広市が負担した。
スケート王国・北海道にとっては待望の施設といえよう。
国内の屋内スピードスケート場はこれまで、長野五輪会場となった長野市のエムウエーブだけだった。
スピード競技は空気抵抗の弱い高地の方が好記録を生みやすい。カナダのカルガリーなど高速リンクは高地にある。大会も風の影響のない屋内開催が主流になってきた。
十勝オーバルは高地ではないが、帯広の製氷技術は高い。リンクを最高のコンディションに仕上げ、世界記録を演出してほしい。
屋内リンクの登場は、道内の若い選手の育成に大きな力となる。
スピード競技では初の中学生五輪代表になった十勝管内幕別町の高木美帆選手は、ここで練習を重ねた。天候に影響されない絶好の環境を生かしてフォーム固めに集中し、代表選考会で好成績を生み出した。
ここを会場に開かれた全道高校スケートでも大会新記録が続出した。経験のないスピードの体感は自信を深め、次の飛躍につながる。
加えて、伸び盛りの若手にとって一流選手の滑りを直接見る機会の増加は強い刺激になるだろう。
若手の利用に工夫を凝らし、北海道の競技力向上につなげたい。
帯広市には維持・管理費などが重くのしかかる。市民負担軽減のため国内外の利用促進は欠かせない。
エムウエーブは例年9月ごろから利用開始となるが、十勝オーバルは7月から氷上練習ができる。真夏に本格的に氷に乗れるのは、アジアではここだけという。
そんな優位性を生かさない手はない。十勝のきれいな空気、おいしい食べ物という魅力もある。
台頭著しい韓国勢をはじめ、アジア各国から合宿などを誘致したい。スポーツ医療設備などサポート体制を充実できれば強みになる。
十勝オーバルを起爆剤にしたスポーツ産業や観光の振興−と夢は広がる。オール北海道で応援したい。
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