社説
財務相交代 菅氏の手腕が試される(1月7日)
藤井裕久財務相の辞意表明を受け、鳩山由紀夫首相は後任に菅直人副総理を充てる人事を決めた。
菅氏が受け持ってきた国家戦略担当相は、仙谷由人行政刷新担当相が兼務する。
2010年度予算案を審議する通常国会は今月半ばに開会の予定だ。この時期に予算編成で指揮を執った財務相が交代することは、政権にとって痛手であるに違いない。
だが景気・デフレ対策、雇用の確保など待ったなしの政策課題が山積する中で、首相が素早い判断を示したことは良かった。
これを機に政権の足場を固め直し、困難な仕事に立ち向かっていくための態勢づくりを急いでほしい。
藤井氏は77歳と閣内最高齢。旧大蔵省出身で、かつて蔵相も務めた。経済・財政に精通した手堅い手腕が首相から評価され、内閣の重鎮の立場にあったが、昨年末の予算編成終了後に疲労を訴え、検査入院した。
通常国会は、首相と民主党の小沢一郎幹事長に絡む「政治とカネ」の問題で波乱含みだ。09年度第2次補正予算案と10年度予算案の早期成立を目指すには、財務相の進退問題に早く決着をつける必要がある。
首相はそう考えたのだろう。
菅氏は国家戦略担当相として予算編成作業で重要な役割を果たしてきた。国会答弁でも即応力の発揮が見込める。仙谷氏は事業仕分けで予算編成に新風を吹き込んだ。
力量のある両氏に重責を担わせることで、内閣の布陣を大きく変えずに国会の乗り切りを図る−。首相のそうした意図が読み取れる。
内閣における両氏の責任は一層重くなった。問われるのは、やはり政治主導のあり方である。
10年度予算編成では各閣僚が省益にこだわるあまり内閣として結論を得るのに手間取り、調整役として財務省が存在感を示した。「脱官僚依存」は道半ばの感があった。
菅氏には財務省内を早急に掌握した上で、文字通り政治主導の予算編成を実現していく責務がある。
官僚の発想にとらわれない幅広い見識に基づき、財政再建や税制改革といった中長期の課題に答えを見いだしていく。そうした仕事を菅氏には求めたい。
仙谷氏に注文したいのは、行政刷新会議と並んで政治主導の両輪とされる国家戦略局の整備だ。11年度予算編成に向け事業仕分けを進化させていくことも忘れてはならない。
内閣を束ねるのは、もちろん首相の役割だ。閣内の連携を強め、チーム力を高めて官邸主導の政権運営を図っていくことが大事だ。
ここは首相のリーダーシップが試される局面である。
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