装飾品とみられるホタテの貝殻=米科学アカデミー提供
現代のヒトに最も近く、約3万年前に絶滅したとされるネアンデルタール人の知能は決して低くなかった――。そんな推測ができる「道具」が見つかり、英仏などの研究チームが今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。
発見されたのは、オレンジ色の鉱物が表面に残っている装飾品とみられるホタテなどの貝殻。ネアンデルタール人の遺跡があるスペインの2カ所の洞窟(どうくつ)から出土した。5万年前のものとみられる。ネアンデルタール人が、貝殻を装飾品のほか、顔料のパレットとして使っていたとみられる。顔料は装飾品の着色やボディーペインティングに使われた可能性があるという。
ネアンデルタール人の絶滅については、ヒトと比べて知的能力が低かったため、との説がある。ヒトがヨーロッパに進入したとされるのは約4万年前で、出土した貝殻はそれより約1万年もさかのぼることになる。ネアンデルタール人は、ヒトと交流する以前から、発達した知的能力を持っていたと、研究チームは推測している。(松尾一郎)