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【Web】ネットに自由を!「海賊党」拡大 (2/2ページ)
多くが同様の主張を掲げ、本家・海賊党のシンボルである「海賊(pirate)」の頭文字をデザイン化したロゴをアレンジして使用している。
ただ、各国海賊党を束ねる上部組織は存在しない。
スウェーデン海賊党が幹事役を務める「海賊党インターナショナル」は、あくまでも情報交換の場で、「(各海賊党間での)資金面や人材派遣などの協力関係はない」(オーストラリア海賊党のデビッド・クラフティ氏)。普段の活動もボランティアによる「口コミ」がほとんどで、広範な分野で政策を訴え、集票につなげる従来政党の組織とは一線を画す。
◆30代以下が支持母体に
にもかかわらず、海賊党が勢力を拡大しているのはなぜなのか。「若者が大政党を信頼していないから」とランゲ氏はみている。
だが、スウェーデンでは昨年4月、著作権侵害を助長したとして大手ファイル交換サイト「パイレート・ベイ」創業者らが有罪となった直後に30代以下の支持者が急増。ドイツでも、ネット上の児童ポルノ取り締まり法案の審議をきっかけに支持が伸びている。ネットの恩恵を享受してきた世代が規制に反発した結果、同党への投票につながった格好。国防や教育といった重要課題では目立った政策は打ち出せていない。
ネット問題に特化した単一争点政党であるとの批判に対しては、ランゲ氏も「今後は多くの問題で政策を提示していく」と歯切れが悪い。一時のブームで終わるのか、それとも社会運動として定着できるのか、海賊党の“羅針盤”はまだ定まっていないようだ。