社会
生活保護急増 ケースワーカー不足が深刻に
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金融危機後の不況で、兵庫県内で生活保護を受給する世帯が急増し、受給者の相談や指導に当たるケースワーカーの不足が深刻になっている。10月現在の受給世帯数は前年同期比9・4%増の約6万3千世帯に達し、年間増加数は5400世帯にもなったが、各市とも職員の補充は後手に。1人当たりの担当世帯が120世帯を超え、法定標準数の1・5倍を上回る自治体もあり、関係者からは「もう限界に近い」との声が漏れる。
この5年間、県内では生活保護の受給世帯が毎年900〜1800世帯ずつ増えてきたが、今年は年明けから都市部を中心に急増。今年10月までの年間増加数は神戸市だけで1845世帯あり、尼崎市も1182世帯、姫路市も662世帯に上る。尼崎は4月に1万世帯を突破し、神戸は3万世帯に迫る勢いだ。姫路市は世帯数が前年同期比18%増で、県内3番目にとなった。
ケースワーカーは、生活保護世帯への家庭訪問や就労支援などを担う。社会福祉法は市部の1人の担当は標準で80世帯と定めているが、昨年の段階でも県内都市部では100世帯以上を担当。今年10月時点で、姫路市は1人が平均126世帯を受け持つ危機的状況となり、尼崎市も1人で116世帯を担当している。
各市とも行革で職員を削減中で、ケースワーカーの現状維持や微増が精いっぱい。担当世帯が増え、きめ細かい対応が難しい状況という。
標準の80世帯を満たすには尼崎で42人、姫路で20人のケースワーカーが足りない。姫路市は9月に1人増やし、さらに11月にも1人増やしたが、標準数にはほど遠い。神戸市は、非正規職員を置いた上で「100世帯に1人」とする独自基準を設けているが、それでも20人近く不足している。
尼崎市では今年、受給世帯が1カ月に約100世帯ずつ増えている。同市は4月にケースワーカー4人を増員し、嘱託職員の就労支援員も12人に倍増したが、「いつかケースワーカーの限界点が来る」と担当者。「失業対策や年金など社会保障制度を変えない限り生活保護世帯は増え続ける。自治体レベルで解決できる問題ではない」と話している。
(高田康夫)
(2009/12/28 06:30)
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