NHKは13日、61億円の赤字となることを盛り込んだ2010年度予算案をまとめた。受信料免除の生活保護世帯の増加などで受信料収入が伸び悩むと予想。赤字幅は08年にまとめた中期経営計画より42億円膨らんだ。NHKは12年度からの視聴者への「受信料10%還元」を表明しているが、金田新専務理事は予算案の記者説明会で「たいへん厳しい」と述べた。
10年度予算案の事業収入は09年度予算比1.3%増の6786億円。一方、地上デジタル放送への移行投資などで事業支出も1.8%増の6847億円となり、61億円の赤字となる。09年度も予算決定段階では赤字だったが、実際は黒字を確保できる見通しのため、10年度は14年ぶりの赤字を見込むことになる。
NHKは08年に受信料の10%還元を表明。還元の具体策は決めていない。金田専務理事は当時の経営委員会主導で決まった10%還元について「受信料収入の伸びを前提にした議論だったと理解している」とした。
(19:55)