冬型の気圧配置が強まり、九州全県と山口県では13日未明から雪が降り、北部だけでなく鹿児島市や南西諸島の竹島(鹿児島県三島村)などでも雪が積もった。影響で九州自動車道など高速道路が未明からほぼ全線で通行止めになるなど、交通が乱れた。雪は断続的に14日朝まで降り続く見通し。各地で路面凍結の恐れがあり、注意を呼び掛けている。
福岡管区気象台などによると、12日未明から上空約1500メートルに氷点下12度以下の寒気が流れ込んだ。午前9時現在の積雪は▽福岡県飯塚市17センチ▽長崎市9センチ▽佐賀市8センチ▽熊本市7センチ▽山口、鹿児島市5センチ▽福岡市2センチ--など。鹿児島市の積雪は05年12月以来で、役場によると竹島の積雪は8年ぶり。同県では指宿市や屋久島でも雪が積もった。宮崎市でも4年ぶりに雪が降った。【反田昌平】
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九州・山口県の広い範囲で積雪を記録した13日、各地で高速道路が通行止めとなるほか、長崎空港が除雪のため閉鎖されるなど交通機関が乱れた。大分自動車道では高速バスなど6台が絡む玉突き事故が発生。休校や登校時刻を繰り下げる小中学校も相次ぎ、市民生活にも影響が出た。
●交通
高速道路は九州のほぼ全域で通行止めとなり、西鉄の高速バスは24路線のうち福岡-小倉線など22路線が始発から運行を見合わせた。福岡都市高速と北九州都市高速も13日午前5時までに全面通行止めとなり、両高速道を走る西鉄の路線バスが一般道に迂回したほか、山間部でも一部運行を見合わせた。
JRは山陽新幹線が13日午前6時から博多-小倉駅間で徐行運転するなどし、上下線で25分前後遅れた。西鉄の天神大牟田線と貝塚線も徐行運転のため、ラッシュ時間帯の午前7~9時台を中心に10~3分の遅れが出た。
また空の便では、長崎空港が滑走路に最大7センチの雪が積もり、13日午前7時から除雪のため閉鎖。同空港発着の計30便が欠航した。北九州空港でも11便が遅延、欠航したほか、福岡空港でもJALの羽田行きとANAの五島福江行きが欠航するなどした。
●事故
12日午後9時ごろ、大分県別府市南畑の大分自動車道の日出ジャンクションと別府インターチェンジ(IC)間下り線で、福岡発大分行の西鉄高速バス(乗客13人)など6台の追突事故が発生した。けが人はなかった。
県警高速隊によると、別の事故で停車していたトラックなど4台にバスが追突、さらにバスの後方を走っていたトラック1台が追突した。当時は積雪し通常80キロの制限速度を50キロに規制していた。
また13日午前7時半ごろ、福岡県小竹町南良津のJR筑豊線の踏切で、同県水巻町の運転手(50)が運転する4トントラックが雪のためにスリップして脱輪し、動けなくなった。午前10時前に撤去されたが、JR筑豊線が新飯塚-直方間で上下線とも約2時間半運行を見合わせた。
また13日午前8時半ごろ、鹿児島市坂之上7のJR指宿枕崎線の踏切で、雪でスリップし、動けなくなった同市の女性団体職員(34)運転の普通乗用車の前部と喜入発鹿児島中央行き普通列車(4両、乗客90人)が接触した。けが人はない。列車は約45分後に運転を再開したが、上下4本が運休、4本に20~50分の遅れが出た。
●休校
全県的に雪が降った佐賀県では13日、唐津市南部など山間地の学校を中心に、公立小・中学校と高校の計10校が臨時休校、小中高計27校で始業時刻を30分~4時間遅らせた。私立校でも、基山町にある中高一貫校が臨時休校の措置を取った。
また福岡県内では、児童生徒の大半がバス通学の北九州特別支援学校、小倉南特別支援学校(いずれも北九州市小倉南区)と、みやこ町立伊良原小が臨時休校。小学校4校と中学校2校が1~2時間、登校時間を遅らせた。小中高校の休校は他に▽大分県内で3校▽熊本県内で5校▽長崎県内で2校あった。
2010年1月13日