(こちらはみっひーが腐女子モード全開でお送りする連載用ブログです。間違えてこられた方、BLに理解が無い方、18歳未満の方はご覧にならないでください。過去の連載や他の文についてはサイトに掲載しています)
(ちょっと学ヘタに挑戦です。もちろんF×UKで、US×Jです)
(冬コミ当選しましたー!!29日東地区“K”ブロック−51b です。時間が余ったとか、暇つぶしとか、覗いてくださったら嬉しいです。「ブログ連載見てます」と言ってくださったら、なにか差し上げたいな…うん。考えときます
てなわけで、今日からしばらく原稿にかかりきりになりますので連載はお休みになります。ごめんなさい。それから…「あなたにそばにいてほしい」もここから加筆…特にエロ部分…して本で発行することにいたしました。ごめんなさいごめんなさい!本にはアル×菊のあたりも書いていきます)
「なぁアーサー」
「んだよ」
「おいしい?」
「黙って食っているって時はまずくねぇって言ってんだろ」
一般的かどうかはわからないが、フランシスとアーサーが付き合いだして2週間ほどが過ぎた。
約束通り、アーサーの食事はフランシスが面倒をみている。ひとり分準備するのも二人分も大差がないのでこれは別段文句はない。時々外で食べる時も会計はすべてフランシスだがこれもまあいい。
「食べたら何する?」
「あ?紅茶を飲んで、テレビ見てゆっくりするよ。だから食べたらお前帰っていいから」
「…俺もお前とゆっくりしたいんだけど…」
「帰れってんだろバーカ」
フランシスは肩をすくめ、スプーンを口元に運んだ。
アーサーはスプーンを目で追いかけ、しばらくフランシスの口元を眺めたが、ハッとしたように自分の皿に視線を戻した。
「食べて、片づけて、帰るときお休みのキスしていい?」
「いいわけねーだろ。頭わいてんじゃねーか?」
「わいてねーよ。むしろ付き合ってんだからキスぐらいいいだろ」
「ヤダってんだろ。無理やりやったらすぐ別れっからな!」
盛大にため息をついてフランシスはスプーンを置いた。
付き合った…恋人になったはずだが、フランシスはまだ一度もキスどころか、アーサーと手もつないでいない。逆に殴りあっていた分前の方がスキンシップ出来ていたのではないかとさえ思う。
2週間だ。ありえない。キスよりもっと先の、もっと濃厚な時間を何度も過ごしていいはずなのに。
「お兄さんってアーサーのなんなわけ?」
「恋人だろ?一応付き合ってんだから」
幾度も繰り返してきた問答だ。
「俺さ、いい加減なんかがたまり過ぎちゃって、耳とか鼻からとか出てきそうなんですけど」
「気持ちわりいな。食事中に」
「だからね、そろそろ抱き合ったり、キスしたりしたいわけ、恋人として、その先のこともさ」
アーサーはギロリとフランシスを睨みつける。フランシスは更に口をヘの字にした。
「フランシスって俺の体目当てなのか?エッチできればそれでいいのか」
「いいわけないだろ!俺は愛には貪欲なの!エッチだけで満足できるわけないだろ!わかれ!そんぐらい!」
「んじゃなんでそんなにエッチにこだわるんだよ!」
「体も欲しいんだよ!お前の!」
アーサーはボっと頬を染め、あわてるように皿を流しに持っていく。
「おおおおおお、お前のも持ってこい。洗うから」
「…」
「持ってきたら帰れ」
フランシスは黙って立ち上がり、皿をシンクに運んだ。そして調理の時に脱いだブレザーをつかんだ。
「朝くるから…」
我ながらずいぶん低い声がでたなと思ってフランシスはアーサーの部屋を出た。
アーサーは何か言ったようだったが、それは聞かず黙って出てきたのはかすかな抵抗。なんだか自分が情けなくてフランシスは奥歯をギリリと噛んだ。
今までみたいに軽く恋をして、ただ気持ちよく体をつないでいた方がよかった。
「深く愛するもんじゃないな…やめようかな…」
やめたらやめたで本当に体だけが目当てだと言っているようなものだ。
確かに、自分の作った料理を口に入れたアーサーが一瞬ホワっと幸せそうな顔をする時、たまらなく嬉しい。ただ横を歩いて、同じ空を見上げるのだって楽しい。
何よりアーサーが愛おしい。
「絶対間違ってる。こんなの…」
そう言いながら、フランシスは深夜まで開いているスーパーに向かった。明日の朝食と夕食の食材を買うために…
「絶対間違ってる。フランシスのバーカ」
アーサーは文句を言いながら、ガチャガチャと食器を洗った。
洗い終わったら紅茶を淹れよう。今日はショコラフレーバーのをチョイスしよう。うん、あのパウンドケーキにもきっと合う…
「あ…」
パウンドケーキはフランシスが焼いたものだ。きっと二人で食べようと思って用意したのだろう。そういえば俺もアーサーとゆっくりしたいと言っていた。
「子どもみたいに怒って帰るから悪いんだ」
アーサーはなんだか泣きたくなって胸を押さえた。
泣くもんか。絶対泣かない。
フランシスのことは…好きだと思う。しかし、その反面憎たらしい。本当に憎たらしい奴だ。腹が立つ。
フランシスのサラサラの髪が好きだ。キッチンに立つとき、無造作に髪をくくるのも好きだ。味見をして、ウンと頷いて満足する顔も好きだ。逆にちょっと眉を寄せて調味料を眺める仕草も好きだ。食べている俺を幸せそうに微笑んで眺めている目も好きだ。あの声も好きだ。
でも腹が立つ。
今日、菊に言われた。なんでそんなにフランシスさんを拒絶するのですかと。そんなふうにしていると気持ちが届かなくて離れてしまいますよ…と…
フランシスが離れて行くなんて考えられない。考えたくない。
フランシスが自分以外に触れるなんて考えただけでも地団太を踏んで爆発するほどいやだ。
「菊があんなことを言うのはフランシスのバカのせいだ」
ケトルに水を張り、勢いよく火をつけた。
少し落ち着こう。
アーサーは深呼吸した。
菊はきっと、自分たちと同じ日にアルフレッドと『できあがった』。
次の日、菊は学校を休み、妙にソワソワしたアルは早退して菊の部屋にすっ飛んで行った。
アルは菊にベッタベタに甘えている。菊は恥じらいながらもなんだか可愛くて、びっくりするほど色っぽくなった。
「俺も菊ぐらい可愛かったらな…」
アーサーはお気に入りのティーポットを出した。沸騰したかしないかのところで火を止めて、まずポットとカップを温める。そして茶葉を淹れ、高い位置からお湯をポットに注いだ。あたりにホワっと紅茶とショコラの香りが広がった。
(この続きは本になります。冬コミまで連載はお休みしますが、日記では原稿の進行状況などを報告していきます)