JR東海は13日、東海道新幹線の男性運転士(52)が、眼鏡をしないと新幹線を運転するのに必要な視力に達しないのに、約1年にわたって眼鏡をしないで運転していたと国土交通省関東運輸局に報告した。
JR東海によると、運転していたのは東京第2運輸所の主任運転士。7日午前10時ごろ、東京発新大阪行きの「こだま645号」に乗車中、眼鏡をせずに運転しているのを同乗の上司が指摘した。国家資格の免許では、運転には視力1.0以上が必要とされているが、運転士の裸眼は右0.7、左0.9で、眼鏡が免許の条件だった。運転士は「眼鏡をかけると疲れる」と理由を話しているという。
運転士は29年の経験があるが、09年1月ごろから一部区間で眼鏡を外し始め、同3月からすべての乗車時に着用せず、少なくとも340回以上は不使用で運転していたという。
JR東海は運転士の乗車をやめさせ、近く社内規定に基づいて処分する方針。【野口由紀】
毎日新聞 2010年1月13日 19時19分(最終更新 1月13日 19時44分)