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インタビュー 細野民主党副幹事長にに交付金継続と物流を聞く
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2010年1月12日3860号
インタビュー 細野民主党副幹事長に交付金継続と物流を聞く
 
「交付金は環境、安全など公的な目的に使われており、熱意も伝わった」
 「荷主の優越的地位の濫用には公取のチェック、取り締りの体制強化も」
 

 12月22日、新しい税調が発足してから25 回目の審議を経て2010年度税制改正大綱がまとまった。物流業界にとっては軽油引取税などの暫定税率がどうなるかに大きな注目が集まったが、道路特定財源として10年間延長された暫定税率は制度としては廃止されたものの、本体部分を暫定税率のレベルまで引き上げるとともに、重量税に関しては国税の2分の1に減税するという形で決着した。

 それとともに、物流の主役であるトラック運送業界が最大の懸案事項として存続に向けた取り組みを行っていた運輸事業振興助成交付金(交付金)は「従来通り継続する」ことが決まった。

 交付金は中小零細企業が99%を占めるトラック業界にあって、安全や環境対策を進める上での貴重な原資となっており、もし廃止となれば、単にトラック協会の運営がどうなるかという問題だけでなく、約10年をかけて400名体制にまで拡充してきた巡回指導員などによる事後チェックを基本とする運輸行政の大きな見直しにも発展するところだった。

 また、交付金によって全国に整備されたトラックステーションはトラックドライバーにとって重要な休憩・睡眠施設。このため運輸労連や交通労連も存続に向けて労使一体となった活動を展開していた。

 こうした陳情の窓口となったのが民主党の幹事長室。民主党は陳情を幹事長室経由とする新しい陳情システムをとっているが、その幹事長室の担当副幹事長で、企業団体対策委員長も兼務するのが細野豪志(ほその・ごうし)衆議院議員。

 当初、政府税調では廃止対象のDランクだった交付金が民主党の予算重要要点の中で「調整」となった上で、最終的には存続となった経緯とともに、弱者に目を向けるという民主党の物流業界に対する見方も聞いてみた。

 

 ーー 交付金は政府税調では当初、廃止対象となるDにランクされていました。その理由は…
 細野 全国のトラック協会の皆さんは、これまでも交付金を使って安全、環境対策を進めてきました。こうした公的なものに使われてきたという認識は十分あったのですが、税調では暫定税率をどうするか、という議論をまず行わなければなりませんでした。暫定税率が廃止ということになれば、それを前提にしている交付金もなくなるということで当初はDというランクになったと思います。

 ーー そこから、トラック業界は労使一体となった存続に向けての陳情を展開していったのですが、存続に向けて大きな要因となったものは何でしょうか?
 細野 延長が決まった最大の要因はトラック業界のこれまでの努力が理解できたこと、さらに、交付金というものが本当に必要なんだという陳情が、各地域から要望としてどんどん上がってきた、ということです。民主党の設けた地方の要望窓口を通じて、ほとんどの都道府県から存続に向けての陳情が出てきました。

 トラック運送業界からは同時に暫定税率廃止という要望もありましたが、石油製品の価格は急騰した時期と比べると今は安定しています。こうしたこともあって、交付金継続に力を入れて陳情するようになったのではないかと思います。野党時代からもトラック運送業界の方々とのお付き合いはありましたが、燃料油が高騰していた時からは月日もたち、要望の重点が変化していったのではないでしょうか。

 ーー 全ト協の中西会長をはじめ、労使一体となった陳情が行われましたが、どのような内容が印象に残っていますか?
 細野 印象的だったのは、とにかく何回もお見えになったことです。そして、陳情の時だけでなく、日常的に話を聞かせてもらっていた、ということも重要なポイントでした。一部の報道では、トラック協会は交付金を貯め込んでいるなんていう批判もありました。しかし、トラック事業者の方々とお話をする機会が増えるにしたがって、交付金は中小事業の経営に本当に役に立っているということが分ってきました。従来は野党でしたので、せっかくいろいろお聞きしても、なかなか実現することは難しかったのですが、これからは、ぜひトラック事業者の方々との“間合い”をつめていきたいとも感じました。

 ーー 継続が決まった交付金に関して、どのような使い途を期待していますか?
 細野 ぜひ、お願いしたのは「中小企業に最大限の配慮を」ということです。トラック運送事業者の方々は荷主に対して弱い立場にあり、そうしたことで難しい問題がいろいろある、ということは十分、分っています。そうした中で、できるだけ、中小企業対策を掘り下げていっていただきたいと思います。

 ただし、今回は存続と決まりましたが、微妙な問題があります。それは交付金の財源となっている軽油引取税は地方税であること。今回は交付金をトラック協会などに出すよう地方自治体に求める総務省次官通達も残しましたが、これからは地域を尊重していく、というのが我々の基本的な立場です。ですから、各都道府県にも十分、理解を求めてもらいたいと思います。

 ーー 話題を変えます。トラック運送業界では長年、運賃低下、それにともなう労働強化などが問題となっています。日通出身の赤松農水相は「公正取引委員会は中小企業を守るべきであり、適正な価格を収受できていないトラック業界の運賃などについて、これまでのような考え方を改めるべきではないか」とヤマト運輸労組の大会で発言し、業界でも期待が持たれています。こうした方向性に関しては、どのようにお考えでしょうか?
 細野 こうした方向というのもひとつのあり方なのかもしれませんが、これまでの流れを考えると、トラック業界に対してだけ例えば集団での運賃交渉などを認めると いうようなことは、相当、ハードルが高いと感じます。むしろ、荷主の優越的地位の濫用に対して目を光らせるということの方が重要ではないでしょうか。トラック事業者の方から聞くと、契約期間中であっても、運賃の値下げを要求されるといった話もあるそうですが、これなどは、まさに優越的地位の濫用です。

 公正取引委員会はこれまで決して強い官庁ではありませんでした。私の選挙区は東海ですが、東海地区全体でも、不公正取引を監視する要員は20人位しかいないのではないでしょうか。こんな体制では細かなチェックなどできるわけはなく、トラック事業者の方々は泣き寝入りするケースが多かったと思います が、これからは規制を強化し、しっかりとチェックして取り締まっていくことが重要だと思っています。

 ーー 最後になりますが、物流に関しては、どのように見ておられますか?
 細野 物流というのは経済の血液です。体に血液が通わなくなれば死んでしまうわけで、社会的にも大切な役割を果たしていると思っています。民主党は政党としても、そうした皆さんを大切にしたいし、これからも活躍していていただきたいと思っています。これから高速道路の無料化に関しても細部を煮詰めていきますが、その中でも皆さんの希望を大切にしていきたい。交付金に関しては継続と決まりましたが、今回のように業界として声をあげ、実情をしっかりと我々に届けてもらいたいと考えていますし、我々としても、そうした声をぜひお聞きしたい。

 ーー 自民党にはトラック議連という組織がありましたが、民主党では…
 細野 議連というのは自由につくれますし、十分、考えられるのではないでしょうか。ただし、陳情の正規のルートは幹事長室を通して、ということが原則にはなると思います。

 陳情が通る、というのはいかに熱意が伝わるか、ということです。地方の陳情窓口だけでなく、国会にも議連といった場があれば、そうした熱伝導の効率はさらに高まるのではないでしょうか。
(12月29日)

 
 
 
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