2010年1月13日 17時39分 更新:1月13日 18時53分
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、東京地検特捜部は13日、小沢氏の個人事務所(東京都港区)や陸山会事務所(同)、同党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=の議員会館事務所(千代田区)を政治資金規正法違反(不記載)容疑で家宅捜索した。関係先として大手ゼネコン「鹿島」(港区)の本社なども捜索。04年10月の土地購入費に充てられた小沢氏の手持ち資金4億円の原資解明には強制捜査が不可欠と判断した。
土地購入を巡る強制捜査は初めて。陸山会事務所は09年3月、西松建設の違法献金事件でも捜索を受けている。
これまでの調べで、当時の事務担当者で小沢氏の私設秘書だった石川氏は04年10月上旬、小沢氏から現金で4億円を受領し、うち約3億4000万円を東京都世田谷区の土地476平方メートルの購入代に充てたことが分かっている。石川氏はこの4億円を陸山会の政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあり、特捜部は石川氏を同法違反で立件する方針を固めている。
石川氏は特捜部の任意の事情聴取に対し、4億円について「小沢氏の手持ち資金」と説明したものの、原資については「知らない」と供述したとされる。このため特捜部は今月5日、小沢氏に任意の事情聴取に応じるよう要請したが、諾否に関する回答がないことなどから、任意捜査だけでは原資の解明が不可能と判断した模様だ。
陸山会を巡っては、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元幹部が「04年10月に5000万円、05年春に5000万円の計1億円を小沢氏側に渡した」と供述したとされる。また、政治資金規正法違反に問われた当時の会計責任者で公設第1秘書、大久保隆規被告(48)の公判で、検察側は、小沢氏側が公共工事で「天の声」を発する見返りにゼネコン各社から献金を集めたと主張。今回の4億円にゼネコンからの資金が含まれている疑いがあるとして捜索対象にしたとみられる。
特捜部は今月5日以降、捜査態勢を拡充し、鹿島などゼネコン各社の役員や当時の東北支店幹部、営業担当幹部らから一斉に事情聴取し、裏献金の有無などを調べていた。