嫌われそうだが、昨今の自民党の“体たらく”を書きたい。
本当に、この政党が半永久政権の座にいたのか?と疑うほど、自民党は超無気力。やることがことごとく「お笑い」の範ちゅうである。
「惨敗」を総括しないうちに党名を変えたら?と誰かが言い出す。「自民党という名前が国民に嫌われている」というのが党名変更の理由?
「欧州では政権奪還のために党名を変更した例がある」「和魂洋才から取って『和魂党』はどうだろう?」「いやいや『自由新党』も良いじゃないか」
冗談じゃない。「自由主義+民主主義」のブランドに勝る名前はそうザラにはない。第一、国民は自民党の名前が嫌で民主党に投票したわけではない。長いこと政治権力を私物化し、すっかり堕落してしまったから、おきゅうを据えられただけだ。名前なんて関係ない。
党名変更に熱心な?舛添要一前厚生労働相は「いま自民党に最も必要なのは(民主党幹事長の)小沢(一郎)さんよりもっと独裁的な指導者」だと演説する。小沢さんの「やりたい放題」を批判するのならまだしも……これでは小沢さんに“ヨイショ”をしているようなものだ。
「私がいま総理大臣なら、17人の閣僚は民主党7割、自民党3割になる。それぐらい自民党の人材は落ちた」とリップサービス? 小沢さんにひれ伏しているようなものだ。政界再編で自分(のグループ)だけ生き延びようとでも思っているのか?
舛添さんが言うほど人材が枯渇しているわけでもない。問題は人材を測る“物差し”にある。人気者の小泉ジュニア(進次郎氏)を総裁にしたら?なんて「お笑い人事」が真剣に検討されているって本当か?
あの自民党はどうしたんだ!
去年の衆院選は自民党にとって、栄華を誇った平家が滅亡した「壇ノ浦の戦い」だったのか?
自民党は「草食系男子」のたまり場になったような気がする。苦労知らずの2世議員と官僚OBばかりで(恋愛やセックスだけでなく)何事にも積極性をなくした草食系男子。「肉」欲に淡々としていたら政権奪取なんてできない。「平家の若さま」では「小沢独裁源氏」には勝てるはずもない。
18日から通常国会。民主政権にもボロが見えてきた。数少ない「肉食雑食系」が追及の先頭に立てば……おもしろくなるのだが。(専門編集委員)
毎日新聞 2010年1月12日 東京夕刊
1月12日 | 草食系になった自民党 |
1月5日 | プレミアムでありたい |
12月22日 | 年の瀬の「孤独病」 |
12月15日 | 骨折の悪戦苦闘 |
12月8日 | ドジをしてしまって |
11月10日 | 報道の不自由 |
10月27日 | 「安売り」の政治学 |
10月20日 | 歴史の勘違い? |
10月13日 | 記者の「後ろ盾」依存症 |
10月6日 | 「後ろ盾」に安住しては |