千代大海は大分県大分市出身。平成4年九州場所で初土俵。7年名古屋場所で新十両、9年秋場所新入幕。突き押しで一気に前に出る相撲を武器に11年初場所で初優勝を果たし、場所後に大関に昇進した。
大関昇進後も14年名古屋場所、15年春場所で優勝するが、いずれも次の場所は10勝に終わり綱とりに失敗した。その後も長く大関の地位を維持したが、19年九州場所を最後に優勝争いからは遠ざかる。角番は14度を数え、21年秋、九州場所と連続で負け越し大関から陥落した。
大関在位65場所は歴代1位。通算成績は771勝524敗115休、幕内成績は597勝398敗115休。優勝3回、三賞5回、金星1個。年寄名跡「佐ノ山」を取得している。
千代大海
「実感はない。きのう(魁皇に敗れた3日目)、テレビをつけたら何十回と自分がひっくり返ったVTRを見て、ここしかないと思いました。きょうの朝、師匠には伝えた。偶然魁皇関と当たったんでしょうけど、魁皇関が(自分に対して)コメントしなかったという配慮をしてくれた思いを感じる…。(最後が)魁皇関で良かったかな」
広瀬勝貞・大分県知事
「よく頑張ってくれました。前向きに突っ走るような豪快な取り口には魅了されました。苦しい時の踏ん張りには勇気をもらいました。本当にありがとう。お疲れさまでした」
藤島親方(元大関武双山)
「闘志むき出しでスピードと重い突っ張りを兼ね備え、運動神経のいい力士だった。一緒にやってきた同世代の力士としては寂しいが、ここ2、3年は苦しい土俵で痛々しかった。お疲れさまと言いたい」
千代大海と同年齢でライバルだった玉ノ井親方(元大関栃東))
「最近は闘志も感じられなかったし、相撲を見ていて限界だと思った。これ以上やっても本人が惨めになるだけ。元気なころは右の突きが特に強く、跳ね上げるのが大変だった。大関としても立派な功績を残したと思う」