ソフトウエア開発の「アンク」(東京都豊島区)は、文字や図形の複製をそのまま資料などに流用する「コピー・アンド・ペースト(コピペ)」を解析するコピペ判定支援ソフト「コピペルナー」を発売した。開発した杉光一成・金沢工業大学教授は「コピペ機能を悪用し、自分の頭を創造的に使う機会を自らつぶすのは残念なこと。このソフトを教育機関が保有することで、学生が『自分で考えてリポートを書こう』と思ってくれたら」と話している。
「コピペルナー」は一つの文章を読み込み、インターネットや、文献データベースに検索をかけて判定する「シングルチェッカー」を基本に、複数の文章を一括で判定する「マルチチェッカー」、文書間の類似点を調べる「クロスチェッカー」の3種類の機能を開発。「シングルチェッカー」は、完全一致は「赤」、記号などを除く完全一致は「オレンジ」、あいまいな一致は「黄色」で、画面上の文字に色をかけて表示されるため、判定結果が一目で分かる。引用したサイトのURLも表示され、コピペの割合が何%かも数字で知らせる。
杉光教授は学生が提出したリポートに、ブログや「ウィキペディア」(ウェブ上で誰でも書き込むことができる百科事典的サイト)などを丸写しした文章を多数発見したことから開発を思いついたという。12月上旬に販売告知し、テレビなどで報道されたため、31日の本格発売時に200本を売り上げた。1000本単位で購入を検討している大学もあるという。ソフトは15日間無料の「スターターライセンス(シングルチェッカーのみ)」を使用中に、購入可否を決めることができる。利用者からは「目で見たほうが一致していることが分かる場合もあるが、意外なところがコピペであることが分かって感心した」や「生徒間のリポートの類似を調べられるクロスチェッカーは怖い」という声が寄せられたという。
料金は9450円~。29日までは、発売を記念して3種の機能が利用できる「スタンダードライセンス」(4万5675円)と、スターターライセンスからのアップグレード(3万8850円)が割引料金で購入可能。問い合わせは同社(03・5396・7520)。【西村綾乃】
2010年1月7日