福岡県警の最新の調査で、飲酒運転で摘発されたドライバーの4人に1人にアルコール依存症の疑いがあることが分かった。一般ドライバーに比べて同依存症が疑われる割合は、およそ4倍。専門家の多くが、飲酒運転が絶えない背景に同依存症の存在を指摘しており、今回の調査でもそれが裏付けられた。
■一般ドライバーの約4倍 「習慣改善」啓発強化へ
調査は警官の起こした飲酒ひき逃げ事件をきっかけに10-12月、同県警として初めて実施した。対象は、飲酒運転で摘発された216人と、運転免許更新時に優良運転者講習や一般運転者講習を受けた220人。テスト方式で、飲酒の頻度や量▽迎え酒をした頻度▽周囲から飲酒習慣を心配されたことの有無‐など10項目を問い、答えを点数化し傾向をまとめた。
その結果、アルコール依存症の疑いがあったのは、飲酒運転で摘発された人が26・4%、一般は6・4%と大きな差があった。飲酒運転で摘発された人の64%が、飲酒習慣の問題が指摘され、51%が過去にも飲酒運転で摘発されていた。ただ一般ドライバーの中にも、飲酒習慣を改善しないと依存症になりかねない「危険な飲酒状態」と判断された人が21・8%(摘発された人は38%)いた。
調査結果から県警は対策を強化する。今後も調査を継続するほか、飲酒状態を判断する簡易テストや、アルコール依存症治療を行う病院などを掲載したチラシを作り、運転免許の取り消しや停止となった人や、企業などに配布する。
県警は「取り締まりと飲酒習慣改善を含む啓発事業を対策の両輪にしたい」とし、「飲酒運転撲滅の日」に設定している25日も1700人態勢で一斉取り締まりをする。
=2009/12/25付 西日本新聞夕刊=