県警交通部は4日までに、2009年の本県の交通事故死亡者が、前年より12人(19.4%)少ない50人で、現在の統計方法となった1966年以降で過去最少だったと発表した。死者の最も多かった72年の238人から、ほぼ5分の1まで減少した。工藤重春県警交通部長は「交通安全団体やボランティアの活動に加え、飲酒運転対策が奏功した」と分析している。
 09年の交通事故は、発生が前年比397件(6.2%)減の6007件、負傷者数は同478人(6.0%)減の7484人で、ともにピーク時の01年から年々減少している。
 死者のうち、65歳以上の高齢者が24人で48%だった。構成比で5割を下回ったのは5年ぶりで、死者数も前年比9人減となるなど、高齢者対策に重点を置いた成果が表れた。高齢者以外では、15歳以下が1人、16~24歳が4人などとなった。
 特徴を見ると、前年13人だった自転車乗車中の死者は大幅に減少して4人となったが、歩行者中の死者は19人と2人増加。このうち高齢者は7人増えた。また、飲酒運転を伴う死者は4人減って4人となった。
 石川威一郎県警本部長は「水面下で飲酒運転を続けている人もいると思われるので、取り締まりや教育を通じて危険性を気付かせたい」と話した。