内藤リターンマッチの現実度 亀田興の都合次第か

2009.12.01


内藤大助【拡大】

 6度目の防衛戦で亀田興毅(23)に敗れ、WBCフライ級王座から陥落した内藤大助(35)。試合前は家族らに「負けたら引退」と伝えていたが、0−3と大差をつけられた判定には疑問もあり、去就は「全く考えていません。ゆっくり考えます」と明言を避けた。

 一夜明けた30日の段階でも内藤は気持ちの整理がつかないという中、興毅とのリターンマッチが実現する可能性は十分にある。WBCは興毅の初防衛戦として、暫定王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)との統一戦を要求しているが、これはあくまで建前。興行主が相応の承認料さえ積めば、別の相手とのタイトルマッチを認める公算は大きい。

 今後2試合の興行権は内藤陣営が握っている。しかし、興毅とポンサクレックをぶつけてもスポンサーや中継局の反応は知れている。内藤のリベンジ戦のほうが格段にもうかるのは明らかだ。

 「日本人キラー」の異名を取るポンサクレックとの防衛戦は、無敗王者の興毅にとってもリスクが大きい。今回の一戦で「内藤ならもう一回やっても勝てる」の感触を得ていれば、勝ち目も実入りも大きい再戦に応じるのは自然の流れだ。

 最大の問題は、内藤本人の気持ち。30日、内藤は東京都内の病院で診察を受け、鼻の軟骨が曲がっていたため矯正し、全治約3週間と診断された。文字通り亀田家に顔をつぶされ、鼻っ柱を折られた35歳の闘志にもう一度火がつくか…。