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資金移動:検察「小沢氏の財布」政治団体の役割指摘

 政党の解散に伴い巨額の資金を自らの支配下に置く小沢一郎民主党幹事長の「錬金術」が明らかになった。その額は22億円を超え、政党交付金など多額の公金も含まれる。資金を移した小沢氏の二つの政治団体のうち「改革国民会議」については、18日にあった西松建設違法献金事件を巡る小沢氏の公設第1秘書の初公判で、検察側が「小沢氏の財布」と指摘していた。【政治資金問題取材班】

 「改革国民会議の資金について、小沢議員から会計責任者に指示して、随時、小沢議員の関連政治団体へ資金移動がなされており、改革国民会議も小沢議員の財布の一つに過ぎなかった」。18日の初公判で検察側は、99~01年に小沢氏の事務所で経理事務を担当した元秘書がそう供述した調書を読み上げた。

 改革国民会議は94年に設立され、小沢氏が代表幹事や党首を務めた新生党、新進党、自由党のいずれでも、党が運営する「政治資金団体」だった。だが、西松事件での検察側の冒頭陳述によると、同会議はゼネコン業界が小沢氏側に寄付する際の窓口を果たしていた。

 とりわけ西松は、独自に小沢氏側に多額の献金を行うため、95~02年に毎年数百万円から1500万円を同会議に寄付。党の活動資金に充てられることもあった一方で「小沢氏の資金管理団体『陸山会』に送金されたこともあった」とする、小沢氏の別の元秘書の供述調書も読み上げられた。この元秘書は91~00年に小沢氏の私設秘書を務めていた。

 自由党解党に伴い03年に一般の政治団体に変更した同会議に移された資金は13億円余。08年の政治資金収支報告書を見ると10億円以上を09年に繰り越し、小沢氏の「金庫」としての役割を果たしているようにみえる。

 小沢氏を巡っては、陸山会による04年の土地購入を同年の収支報告書に記載せず原資も不明などとして、当時の事務担当者で小沢氏の私設秘書だった民主党の石川知裕衆院議員=北海道11区=らが政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で東京地検特捜部に刑事告発されている。また同年、小沢氏側のプール金とみられる約5億円が小沢氏関係の五つの政治団体を経由して陸山会に移されながら、収支報告書に不記載だったことが判明している。

毎日新聞 2009年12月27日 2時30分(最終更新 12月27日 3時53分)

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