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細野右拳痛め悔しい判定負け/ボクシング

プーンサワット(奥)に判定で敗れ無念の表情の細野(撮影・野上伸悟)
プーンサワット(奥)に判定で敗れ無念の表情の細野(撮影・野上伸悟)

<プロボクシング:WBAスーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦>◇11日◇東京ビッグサイト

 WBA世界スーパーバンタム級10位の細野悟(26=大橋)は、惜しくも0-2の判定負けで王座奪取に失敗した。同級王者プーンサワット・クラティンデーンジム(29=タイ)に初回から真っ向勝負の打ち合いを挑んだが、8回途中に右強打が王者の頭部に当たり、福島・磐城二高時代の3年間、泣かされ続けていた右拳の古傷を再発させた。細野は「王者がうまくて、手数を出せなかった。攻めが足りない」と言い訳しなかったが、中盤以降はポイントを稼ぐことができなかった。

 それでも、あきらめなかった。「1発でひっくり返そう」(細野)と左拳だけで勝負に出た。大橋会長直伝の左ボディーブローを効果的に繰り出し続けた。強烈な右アッパーを浴び、2回以降は鼻血が止まらなかった。相手は世界2階級制覇、地域王座も含めれば計28度も防衛を成功させた強打者だが、ダウンなしで打ち合った。1人のジャッジがドローにしたほど競り合った。

 大橋会長は「怪物といわれる王者と0-2の判定。細野が世界級という証明です。今回はチャンスだったから(階級を)無理した。パンチの重さ、スタミナも戦力ダウンしていた」と話し、今後は本来のフェザー級で世界挑戦させる意向だ。好きな言葉が「1歩1歩」の細野は「また一からフェザー級でいきたい」と再起を誓った。プロ初黒星を糧に再び新たな1歩を踏み出す。【藤中栄二】

 [2010年1月12日8時45分 紙面から]


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