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魁皇幕内807勝!千代の富士に並んだ

 豪栄道をよりきりで下し幕内通算トップタイの807勝目を挙げほっとした表情を浮かべる魁皇=両国国技館
 豪栄道をよりきりで下し幕内通算トップタイの807勝目を挙げほっとした表情を浮かべる魁皇=両国国技館

 「大相撲初場所2日目」(11日、両国国技館)

 大関魁皇が豪栄道を寄り切って、元横綱千代の富士(現九重親方)に並ぶ史上1位の幕内通算807勝目を挙げた。1993年夏場所で新入幕、幕内初白星を挙げてから足かけ18年での大記録に、同期の貴乃花親方(元横綱貴乃花)や、横綱朝青龍も祝福した。

 横綱白鵬は栃ノ心を寄り切り、朝青龍も豊ノ島を寄り切り2連勝。進退がかかる関脇千代大海は北勝力に力なく突き出され連敗となった。

  ◇  ◇

 まさに節目の一番だった。魁皇最大の武器、右上手がうなりをあげた。豪栄道の下手出し投げを腰を落として残すと、右手に力を込める。相手の下手を切りつつ、引きつけながら前へ。昨年発売した自伝のタイトル「怪力」の名に恥じない力相撲で、角界の歴史に名前を刻んだ。

 支度部屋では数十人の報道陣に囲まれた。これまでも勝ち星の記録に無関心だった魁皇らしく、「そんなに意識していた訳じゃないけど、お客さんとかが言っていた。あんまりこだわりはない」と素っ気なかった。幕内初勝利の93年夏場所2日目の琴椿戦から、一つ一つの積み重ねが記録につながった。

 周囲も名大関の奮闘ぶりに舌を巻いた。同じ88年春場所が初土俵で、理事選の渦中にある貴乃花親方は「同期生がよくここまできた。超人的な記録。まだまだ伸びそう」と祝福。また、取組前に「まわしをつかんだ方がいい」とアドバイスをした朝青龍も「けがの中で頑張っているから。われわれの刺激になるよ」と自分のことのように喜んだ。

 右上手の力にはプライドを持っている。つかまえた豪栄道が投げで反撃してきたことを振り返り「上手を取って動かれると自分の力が落ちていると思った」と、本来なら動かせもしないと言いたげ。若貴や曙、武蔵丸らとしのぎを削った全盛期のイメージは忘れていない。

 3日目は進退をかけている千代大海とぶつかる。単独トップの勝ち星については「そんなことは考えていない」とぶっきらぼうに言い放った。誰が相手でも自慢の怪力で一つずつ白星を積み重ねるだけだ。

(2010年1月11日)
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