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【政治】

日米核密約の公表また先送り 外務省有識者委

2010年1月11日 20時40分

 米軍核搭載艦船の日本通過・寄港を黙認する「核密約」など日米間の密約を精査する外務省の有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)は11日、さらに調査継続が必要として、期限としてきた1月中の報告書作成を断念した。近く岡田克也外相に伝え、新たな期限を設ける。これにより目標としていた月内の密約公表も先送りとなった。

 外務省で11日に開いた第5回会合で決めた。昨年9月の鳩山政権発足時には11月末決着を想定したが、いったん1月まで先送りされた。早期決着で政権交代の成果を印象づける岡田氏の狙いがさらに後退した格好だ。

 有識者委による密約文書自体の有無の特定は進み、現時点では、密約が生じた背景の分析や歴史的な評価に焦点が移っている。今後は、歴代の外相経験者らにも聞き取り調査を広げる方向だ。

 一方、歴代の外務省幹部が密約を引き継いでいた実態を解明するため、関係者の聞き取りを拡大する必要も出てきた。村田良平元事務次官が証言した引き継ぎ文書も内部調査では確認できなかった。廃棄の可能性もあり評価を難しくしている。

(共同)
 

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