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豪でまたインド人襲撃 感情的対立へ発展も
【シンガポール=宮野弘之】オーストラリアのメルボルンで9日、インド人男性(29)が4人組の男に襲われ、車ごと火を付けられ顔などに大やけどを負った。メルボルンでは2日にも、インド人男性(21)=当時=が公園で何者かに刺され死亡した。襲撃事件が一向に解決しないことから、インド紙は最近、オーストラリアの地元警察を人種差別主義者だと揶揄(やゆ)する漫画を掲載。これにオーストラリア側が反発するなど、感情的対立へと発展しつつある。
AP通信によると、メルボルンを管轄するビクトリア州警察幹部は10日、放火事件について「現時点で人種(差別)が動機と断定する証拠はない」と語った。
同警察は2日の事件も、人種問題が動機かは不明としているが、オーストラリアのインド人学生連盟スポークスマンのグプタ氏は「何も盗まれておらず、人種差別が動機だ」と反論する。
この問題をめぐっては、インドのメールツデー紙が5日、米国の白人至上主義団体クークラックスクラン(KKK)の扮装(ふんそう)に同州警察の記章を着けた人物が「まだ動機は特定されていない」と話す漫画を掲載。州警察側は「犯人も分からないのに人種差別につなげるのは、ばかげている」と非難した。
ただ、フランス通信(AFP)によると同州内のインド人襲撃事件は昨年7月までの約1年間で1447件に上り、その後も毎月数十件発生しているだけに、州警察も焦燥感を強めている。