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続・児童虐待

柳美里

長谷川 それは、それだけ心の中に強い動きが起こっていたということなんですけど、どんな動機なんでしょう? その鳥は、自分の中だけの鳥で、ブログにも一度も公開しなかった。さらに、何故、文鳥だったんですか?

 年明けから鳥の本を何冊も買って、読んでたんですけど、初心者でも飼える丈夫な鳥といえば、セキセイインコ、カナリア、十姉妹、文鳥ですよね。文鳥以外の鳥は、殺した記憶が鮮明だったんですよ。記憶というか、目の前の光景として、バタバタもがく鳥の姿が……手に羽の抵抗が生々しく残っていて……。

長谷川 償いとか、そういうような気持ちが、少しは混ざっていたのかな?

 少しは、混ざっていたかもしれませんね。

長谷川 昔の自分から脱皮したいとか、自分をシフトさせたいとか、そういうような気持ちは混ざっていましたか?

 やり直したい……。

長谷川 やり直したい。

 雛を一から育て直したい……。

長谷川 幼少期の自分の育て直しをしたかった、これは言い過ぎですか。

 う〜ん……でも鳥は、ほかの動物よりも、幼少期の記憶を喚起させる存在ではあるんです。

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COURRiER Japon
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    柳美里柳美里
    (ゆう・みり)
    1968年生まれ、神奈川県出身。劇作家、小説家。1993年に『魚の祭』で岸田戯曲賞を、1997年には『家族シネマ』(講談社)で芥川賞をそれぞれ受賞。『ゴールドラッシュ』(新潮社)、『命』(小学館)、『柳美里不幸全記録』(新潮社)など、小説、エッセイ、戯曲の作品多数。

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