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日航上場廃止へ 米社の出資盛り込まず 機構計画

2010年1月11日4時6分

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 日本航空の経営再建に乗り出す官民の企業再生ファンド「企業再生支援機構」は、日航株の上場維持を断念する方針を固めた。株主責任を厳しく求める必要があると判断した。法的整理に入った後、日航は上場廃止される見通し。また機構は、米航空会社の出資を日航の再建計画に盛り込まないことを決めた。

 機構は19日にも、日航に会社更生法の適用を申請させ、同時に支援決定し、法的整理を活用した再建を目指す。法的整理に踏み切った企業が債務超過の状態にある場合、通常は100%減資をし、上場廃止になる。

 ただ、東京証券取引所は2003年に制度を改正し、減資を100%未満に抑えたうえ時価総額が10億円以上であることなどの条件を満たせば、法的整理後も上場維持できるようになった。日航には法人の主要株主以外に、約38万人の個人株主がいる。割引で航空機を利用できる株主優待制度を目当てに株式を持つ顧客も多い。こうした顧客をつなぎとめるため、機構は減資100%未満にとどめることで、上場維持の道を探ってきた。

 だが、機構の資産査定の結果、日航は7千億〜8千億円の債務超過の状態にある。機構は日航に3千億円を出資し、4千億円超を融資する方針で、金融機関に計3500億円の債権放棄を要請する。金融機関に重い負担を求める以上、100%減資で株主責任も厳しく求めざるを得ないと判断した。

 もっとも機構内には、上場廃止しても減資を99%程度に抑え、再建後に株主が投資を回収できる可能性をかろうじて残す案を推す声もある。

 日航の昨年9月末時点の大株主は東京急行電鉄(2.94%)、東京海上日動火災保険(2.57%)、ニッセイ同和損害保険(1.58%)、日本航空グループ社員持株会(1.35%)などとなっている。

 また、日航に対し現在、米デルタ航空と米アメリカン航空がともに出資を申し出ている。機構は当面、日航再建を主導する方針で、米社からの資本受け入れを再建計画に盛り込まないことにした。米社との業務提携は、2月以降、新経営陣の判断に任せる。(高野真吾)

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