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iPS研究など「緊急」研究支援費60億円 執行できず…政権交代で手続き滞るiPS細胞研究など、国際競争が激しい研究分野を緊急支援するため、2009年度当初予算に計上された「革新的技術推進費(革新費)」60億円が、政権交代のあおりで執行できないままになっている。新政権下で配分先の決定手続きが滞り、最終選考に残った研究者らに待ちぼうけを食わせている。 革新費は、「iPS細胞を活用した再生医療・毒性評価技術」「高効率な太陽光発電技術」など5課題に配分する予定だった。各課題に取り組む研究者を公募し、昨年8月中の採択を目指していた。 5月に成立した補正予算で、より高額の研究費を提供する「最先端研究開発支援プログラム」が発足。重複を避けるため、革新費の採択は「最先端」の配分決定後に決めることにした。しかし、自民党政権時の9月初めに決まった「最先端」の配分の仕方を民主党政権が変更して今も調整中。革新費は宙に浮いたままだ。 革新費の最終選考に残っている研究者は「海外の研究チームの勢いに負けないための緊急支援のはずだったのに」と嘆く。内閣府の担当者は「何とか今月中には配分先を決めるめどをつけたい」としている。 (2010年1月11日 読売新聞)
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