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軍都・旅順を対外開放 中国政府、日本人観光客に期待

2010年1月11日3時20分

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写真:旅順軍港の岸壁には、いまも多くの軍用艦が停泊している=9日、西村写す旅順軍港の岸壁には、いまも多くの軍用艦が停泊している=9日、西村写す

地図:  

 【大連(中国遼寧省)=西村大輔】日露戦争の激戦地で、中国政府が軍事区域として外国人の自由な立ち入りを禁じていた大連市旅順口区(旅順)が、軍事施設周辺を除いて対外開放された。観光産業や経済開発を重視しての措置とみられる。日露戦争が舞台のNHKドラマ「坂の上の雲」が始まったこともあり、地元は日本人観光客の増加を期待している。

 同区は人口約26万人。1996年に北部が開放され、日露戦争の激戦地二〇三高地、旅順港攻防戦の停戦条約が結ばれた水師営会見所跡などが外国人に開放された。一方、軍港の周辺に市街地が広がる南部では、外国人が立ち入るためには同市公安局の特別許可証が必要で、違反者は拘束されることもあった。

 近年、警備が緩和され、立ち入り禁止地区にある観光名所の一部も先行して外国人を受け入れ始めたが、全域の開放に向けた軍などとの調整に時間がかかっていた。同区政府によると、中国政府と中央軍事委員会が昨年末までに、軍港など軍事施設周辺を除いた地域の開放に同意した。記者も9日、市街地を歩いた。

 軍港周辺には、日本統治時代の建築物が残る市街地があり、伊藤博文を暗殺した安重根が死刑にされた旧旅順監獄、旧満州時代の文物を保存する旅順博物館などがある。

 同区経済合作局の王清副局長は「開放が遅れた分、今後の発展の可能性は大きい。日本人の関心は特に高いので、旅行客の増加や企業の投資が期待できる」と話した。新たに開放された地区で日本語の表示を増やすなどサービスを充実させていくという。

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