調印式の席上で使用グローブについてクレームをつけるサルガド陣営(左・右は内山)=後楽園ホール
「WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ&WBA世界Sバンタム級タイトルマッチ」(11日、東京ビッグサイト・東3ホール)
ダブル世界戦の調印式、計量が10日、東京・水道橋の後楽園ホール展示場で行われ、出場4選手それぞれリミットいっぱいの一発で計量をクリアした。調印式では、Sフェザー級王者サルガド陣営が、使用グローブにクレームをつけ、急きょ日本製からメキシコ製グローブに変更となるハプニングがあった。ドタバタ劇にも挑戦者・内山は動じることなく、力強くベルト奪取を誓った。
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調印式でのグローブチェックの時だった。コミッションから差し出されたグローブを手に取った王者陣営のハイメ・キンタナトレーナーが顔をゆがませ、「これは日本製だろ。メキシコ製のものを出してくれ。チャンピオンの親指が長いので、日本製ではサイズが合わずにケガをする」とグローブを突き返した。
使用グローブに関しては通常、契約書に明文化されるが、今回は記されていなかった。この場合、王者側とプロモーターによる話し合いで決定され、それでも結論が出なければローカルコミッションの裁定に従うルールとなっている。今回は計量後に再度、両陣営が話し合い、結局、内山側が折れる形となった。
今回初めて試合でメキシコ製グローブを使用することになった内山は「自分としてはどちらでも良かった。チャンピオンと同じグローブを使うわけだし、不利も有利もない」と気にする様子はなかった。ワタナベジムの渡辺会長は「こういう事態も想定済みですから」と不敵な笑みを浮かべた。
(2010年1月11日)