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白鵬 土俵入りで目を疑う大失態

 白鵬が寄り倒しで鶴竜を下す=両国国技館
 白鵬が寄り倒しで鶴竜を下す=両国国技館

 「大相撲初場所初日」(10日、両国国技館)

 2場所連続優勝を狙う横綱白鵬が、土俵入りで「せり上がり」を忘れる大失態をおかした。取組では粘る鶴竜を寄り倒して白星発進を決めたものの、バツの悪い2010年幕開けとなった。横綱朝青龍は、小結琴奨菊を寄り切りで下した。大関から陥落した千代大海は、稀勢の里に押し出しで敗れ黒星発進。大関陣は魁皇と琴光喜に土がついた。

  ◇  ◇

 思わず目を疑う大失態だ。白鵬が2010年最初の土俵入りで、両手を広げてせり上がる不知火型“最大の見せ場”をすっぽかした。ん!?何かおかしいぞ…、ざわめく観衆をよそに、足早に土俵を後にした。

 動揺は隠せない。鶴竜との結びの一番。珍しく一度突っかけ、待ったをかける。2度目で立ち、粘る鶴竜を力強く寄り倒したが、初日から長い相撲となった。「(待ったは)気合が入っちゃった。(長い相撲は)自分の相撲を取り切った」と強がったが、土俵入りのミスを指摘されると「ばれた?」と顔を赤らめた。

 「ちょっとシコ(の踏み方)を変えて、そればっかり頭にあった。土俵入り前にずっと練習していて」と言い訳をし、「歌手も歌詞を間違えてもそのまま歌うでしょ。プロになってきたっていうことかな…違うか」と苦笑い。「不知火型の土俵入りを見せられなかったね」と素直に反省した。

 年間86勝という金字塔を打ち立てた09年が終わり、少し緩んでいた気も引き締まった。「これでいい流れでいける」と前を向いた。

(2010年1月10日)
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