内山天下取りへ「家康パンツ」で計量
WBA世界スーパーフェザー級3位内山高志(30=ワタナベ)が「家康魂」で同級王者サルガド(メキシコ)に挑む。11日の世界戦(東京ビッグサイト)の前日計量と調印式が10日、都内で行われた。内山は徳川家康の甲冑(かっちゅう)がモチーフのパンツ姿で58・9キロで計量をパス。天下を取り、長期政権を築いた武将にあやかりベルト奪取を目指す。
計量を一発でパスした内山は、肉体美と勝負パンツを誇示するかのようにガッツポーズした。同じく58・9キロでパスしたサルガドとの記念撮影でも、引き締まった体と黒地に金の柄が入ったパンツは目を引いた。パンツについて、内山は「気持ちの表れです」と晴れ晴れとした表情で語った。
内山がはいていたのはログイン社が発売する「甲冑パンツ」だった。戦国武将が身を守るために装着した甲冑がデザインされたもので、同社によるとプロ野球巨人の原監督らも着用しているという。このパンツを知った内山は「自分も戦に向かう侍のようなもの。気が引き締まる。計量でヨレヨレなパンツは嫌ですしね」と、豊臣秀吉や直江兼続といった有名武将の中から、好きな黒色が基調の徳川家康モデルを勝負パンツに選んでいた。
「家康魂」を身にまとった内山は、「武器」であるグローブで問題が生じても泰然自若としていた。計量前の調印式で、王者陣営が当初予定していた日本製グローブの使用に難色を示し、メキシコ製の使用を求めた。契約書にどのグローブを使うかは明記されておらず、両陣営ともお互いの母国製グローブを使うものだと思っていた。
ルールミーティングでの協議でも王者陣営はメキシコ製の使用を譲らなかったが、内山は「武士道」を貫いた。試合未経験のメキシコ製を試して「構いません」と受け入れた。「慣れてるかどうかの問題だけ。少しナックル部分が薄いかなってくらい。相手も同じなので大丈夫。当たれば効くかな」と悠然と語った。
1600年、徳川家康は関ケ原の戦いに勝利し、その後、15代にわたる江戸幕府を開いた。その名将の心意気が宿るパンツを身にまとった内山は、天下分け目の決戦を前に「名前のある王者に勝ってこそ価値がある。厳しい戦いになると思うが必ず勝つと信じている」と天下統一を宣言した。【浜本卓也】
[2010年1月11日9時34分 紙面から]
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