2010年1月10日 10時18分 更新:1月10日 18時54分
「ホームページ(HP)を作れば売り上げが上がる」。HP作成会社がこんな触れ込みで、中小事業者とHP作成ソフトウエアのリース契約を結び、法外な料金を取る悪質商法が横行している。京都では訴訟に発展し、作成会社が全額返還に応じたケースも。電話機リース商法が下火になったのに伴い相談件数が増加しており、被害対策に取り組む弁護士らは「電話機からHPに狙いを変えてきたのでは」と警戒している。
国民生活センターによると、「電話代金が安くなる」とうその勧誘で高額のリース契約を結ぶ商法の相談は、05年度の8696件をピークに減り、08年度には2974件。逆にHPソフトリース商法は05年ごろから弁護士らに相談が寄せられ始め、同センターへの相談は今年度、既に349件に上った。
京都府宇治市の飲食店主の場合、05年10月、作成会社販売代理店の営業マンから「すべてサポートします。1年もすれば確実に売り上げが伸びます」と持ち掛けられ、5年間で約120万円(月額2万円)のHP作成ソフトのリース契約を結んだ。
しかし、HPの出来が悪くサポートも不十分だったとして08年4月、作成会社に返金を求めて京都地裁に提訴した。店主側は「同種ソフトは通常数万円で市販され、暴利だ」と主張。作成会社側は当初「技術講習も含めた総合的サービスだ」と反論したが、09年7月和解に応じ、店主側から受け取っていた42万円全額を返還したという。【熊谷豪】