【コラム】ますます韓国が必要になった日本(下)

 昨年9月に民主党政権が発足した時、韓日関係の専門家たちは「あまり変わらないだろう」とみていた。韓国の専門家だけでなく、日本の専門家も同じ意見だった。むしろ、韓日強制併合100年目の今年は大きな危機が訪れると考える人も多かった。しかし状況は、少なくともこれまでは、予想と違った展開になっている。

 では、なぜ日本政府は韓国にこのように積極的なのだろうか。政権交代による変化という面もあるだろう。だが、今の民主党の中核を担うのはほとんど全員、自民党出身者だ。

 その答えは、鳩山首相が首相になる直前の昨年8月、月刊誌『ボイス』9月号に寄稿した文の中にある。「私の政治哲学」というタイトルのこの文には、次のような部分がある。「覇権国家であり続けようと奮闘する米国と、覇権国家たらんとする中国のはざまで、日本は、いかにして政治的経済的自立を維持し、国益を守っていくのか。これからの日本の置かれた国際環境は容易ではない」。こうした認識は、鳩山首相個人のものではない。小沢幹事長が話してきたことでもあるし、民主党のマニフェスト(政権公約集)にもまとめられている内容だ。最近、韓国と日本の政治家が会った場でも、同様の話が出るという。

 日本の民主党政権が韓日関係の再調整に乗り出したと判断するには時期尚早だといえよう。日本国内の政治力学上の限界で、靖国神社に代わる国立戦没者追悼施設の設立問題や、永住外国人の地方参政権問題が実現しない可能性も高い。しかし、日本政府の本当の目標が何であれ、日本が韓国をますます必要とする新たな局面に入ろうとしていることだけは事実だ。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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